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詩|君と空との間には

空一面に広がる曇天と
湖面の間には清浄な空間がある
ひとの頭の中にも
こんな空間がいるのだろう
日々の生活事情の塵芥を
溶かし込むことのできる
広大な余りものが

人間が使うのは地面の上
地面が綺麗なのは
空が広いからだ
理性が清くあるために
いつも空の色を見ていたい

空の広さを心にもちたい
塵芥をものともしない広さを
湖面の上には片われどきのあわい色
雲までの空を染めるのも同じ色

どこまでも静かなのは
この空の色を見ている己の目
目の自然はこころの自然
柔らかな触感が目の表と裏を撫でる
不動の静寂はこの空の姿に同じ
事務的な人工と次元を分つ
美の姿

ただ音もなく
あるべきものが心を満たす
あるべきままの(本然の)情を知る
あるべきものが私になる

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