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【呼吸から始める!】病院で助けを求めたらラジオ体操を処方された女の2日目
呼吸訓練と言っても、特別なことをしているわけではない。ただ、スマホで呼吸法のエクササイズアプリをダウンロードして、その中から5分間、自分が選んだリズムで呼吸をするだけだ。それだけだが、続けるのは意外と難しい。
私が選んだリズムは、4カウントで吸って、7カウントキープし、8カウントで吐くというもの。深い理由があって選んだわけではなく、アプリの中で目に留まっただけの選択にすぎない。本当に何となく、これならできるかな、という感覚だった。
ただ、やってみると想像以上に「吸って吐くだけ」という行為が、どれだけ重く感じられるかが分かってくる。たった5分間だ。時計の針が少し進むだけの短い時間。しかし、その5分が、信じられないほど長く感じる。
吸って、止めて、吐いて…それを繰り返すだけなのに、途中で何度も止めたくなる。苦しいとか痛いとかではない。ただ、体が今にも「もう無理だ」と言いたげに、重たくなる。
呼吸するたびに時間が止まっているように感じる。1秒が1分にも感じられるような感覚だ。息を吐き出すたびに、気持ちも一緒に吐き出されるようで、気が遠くなってしまう。リズムを守ることがこれほど難しいとは思わなかった。5分間という短い時間が、まるで永遠に続くかのように思えるほどだ。
正直、初回からめげそうになった。「これは本当に私に必要なことなんだろうか?」と自問する声が頭の中に響く。それでも、これができなければ、あのラジオ体操には到底たどり着けないだろう。そう思うと、苦笑いせざるを得ない。
呼吸法は、ラジオ体操のための準備運動。先生はラジオ体操を進めたが、まずは呼吸から整えなければ、元気にはなれない。そんな簡単なことが、今の私にはとても重く感じられるのだ。実際に体が弱っていることが、自分でもこうして毎日少しずつ実感として湧いてきている。
もう止めてしまいたいという気持ちと戦いながら、なんとか1日目の呼吸訓練を終えた。5分間をこなしただけで達成感がある。これで本当にいいのかと思う一方で、最初の一歩としては、これでも十分なのだと自分に言い聞かせるしかない。
呼吸法の訓練を続けること。それが今の私にできる唯一の努力だ。ラジオ体操の前に、まずはこの小さな訓練を積み重ねて、少しずつ体力を戻していこうと思う。気持ちを切り替えられる瞬間が訪れるといいのだが、今はただ、呼吸訓練を続けることを目標にするしかない。
次のステップに進むまで、この5分間を乗り越えられるだろうか。まだ自信はないが、続けるしかない。