大学生×学ぶ 鳥獣被害防止対策とジビエ利活用について
東海学院大学管理栄養学科の1年生です。今日は農林水産省東海農政局農村振興部農村環境課リスク対策調査官 河原志朗先生から『鳥獣被害防止対策とジビエ利活用について』お話をお伺いしました。
野生鳥獣による被害状況について知る
野生鳥獣による農作物被害額は、全国で155億円(令和3年度)にもなるそうです。全体の7割がシカ、イノシシ、サルによるものだとか・・・
岐阜県ではイノシシによる被害が最も多いそうですが、東海地域では、鳥獣被害防止総合対策交付金等の事業の活用で、地域ぐるみの対策が進んだこともあって、平成22年度をピークに減少傾向にあるそうです。
野生鳥獣が農村地域に与える影響について学ぶ
鳥獣被害によって営農意欲の減退、耕作放棄地・離農の増加、さらには森林の下層植生の消失等による土壌流出など、大きな影響を及ぼしているそうです。たしかに私たちが先日訪問した中山間地域の生産者の方も「最近はシカやイノシシの被害が大きくて、柵を作っても被害にあってしまうので、高齢化や担い手不足もあり、山の畑をあきらめてしまう方が多い。」というお話をお伺いしたばかりです。過疎化高齢化の地区においては、鳥獣被害の課題が本当に大きいのだと感じました。
有害鳥獣をマイナスからプラスの存在へ
有害鳥獣をマイナスからプラスの存在へ転換する取組についても教えていただきました。これまで廃棄していた捕獲鳥獣のジビエ利用拡大を推進することと、積極的な捕獲を推進することにより農作物被害の低減が期待されるそうです。また、ペットフードや外食・小売、学校給食等への利用拡大によって農山村地域の所得向上も期待できるとか。
お話を伺った私たちの感想です。
「シカ、イノシシなどの野生鳥獣を私たちはあまり日頃の生活で見ることもないのですが、お話をお伺いしてこれだけ深刻な被害を与えていることを知りました。特に過疎化・高齢化の地区においては、営農意欲の減退など耕作放棄地の増加やそれによるさらなる生物多様性の損失にもつながっている大きな課題であると感じました。」
「シカのジビエ利用については、私たちも地域の飲食店と連携して商品化を行っているのですが、ジビエ利用促進の意味を深く知ることができました。
これからもマイナスからプラスの存在としてジビエの利用を広めていきたいと思いました。」
「シカについてはジビエでの利用もあると思いますが、豚熱などの影響でイノシシについてはどうなっているのか知りたいと思いました。」
「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針が策定され、野生鳥獣の安全性についても、捕獲から処理、食肉としての販売、消費に至るまで、HACCAPの考え方に則り狩猟者やジビエ を取り扱う食肉処理業者等の関係者が共通して守るべき衛生措置が指針に示されていることを知りました。私も機会があれば食べてみたいと思いました。」
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