大学生×伝統野菜 飛騨美濃伝統野菜『瀬戸の筍』
東海学院大学管理栄養学科の飛騨美濃伝統プロジェクトチームの学生です。今日は岐阜県中津川市に飛騨美濃伝統野菜『瀬戸の筍』の生産者の方のところに行ってきました。雨模様の空ですが、なんとか雨が降る前に筍を収穫させていただき、お話をお伺いすることができました。
『瀬戸の筍』は270年前に鹿児島島津藩お姫様の婚礼品が由来
岐阜県中津川市の木曽川沿いに面した瀬戸地区限定栽培されている筍を『瀬戸の筍』と呼んでいるそうです。言い伝えによると、270年程前に鹿児島島津藩のお姫様がこの地域の苗木藩にお輿入れした際に、婚礼品として孟宗竹を持参され、瀬戸村の木曽川湖畔に植えたのが始まりなのだとか。
筍堀は重労働、1本掘るのにも時間がかかる
筍堀を体験させていただきました。まず山の坂道を登っていくだけでも大変な作業です。それに加えて筍の周りには根があって、どこに根があるのか・・・それを見て判断して掘ります。どれ一つとして同じようには、掘ることができません。難しい。一つの筍を掘るのに30分もかかってしまいました。30軒の生産者の方で年間20t(今年は裏年のため少ないそうです。いつもは50tほどだそうです)ほど収穫し、主に長野県松本市に出荷をされているそうですが、少子高齢化による担い手不足の課題も大きく、筍があっても掘る人がいない・・・生産量も減少しているそうです。
さらに、近年の気候変動によって、収穫時期も短くなっているそうです(4月初めから5月連休前)。また鳥獣被害も深刻でイノシシの被害が特に多いとか。
アクが少なく、柔らかい『瀬戸の筍』
『瀬戸の筍』の特徴はアクが少なく、柔らかい事だそうです。いろいろな料理に合いますが『瀬戸の筍』ならシンプルなみそ汁がおすすめだとか。通常は茹でてアク抜きをした物を使いますが、『瀬戸の筍』は生のままを水から入れて沸騰させ、出たアクを取り除きながらみそ汁を作るそうです。生産者の方も毎年初物の筍はまずみそ汁で食べて春を感じているそうです。