北欧フィンランドのグルテンフリー事情
先日興味深い記事を書いている方を見かけました。
そうなんですよー、グルテンフリーはこちらでは一般的です。
自分もこちらに来て間もないころは驚きました。
北欧に旅行した方でも気になった方はいるのではないでしょうか。
スーパーはもちろん、レストランのほとんどにグルテンフリーの選択肢があります。
ピザ屋ですらグルテンフリーのピザ生地ありますと謳うところがあります。
(焼窯は共有してたりするので100%小麦フリーとは言い難いですが、そこまで重篤でない人は食べられるのかもしれません。)
北欧人の体質に合わせて作られてます
健康のためグルテンフリー生活をしている人は一定数いるでしょう。
しかしそれよりも大きな理由があります。それはラクトースフリーと一緒で体質的、むしろ遺伝的な理由です。
セリアック病というものをご存じでしょうか。
フィンランド語では「Keliakia(ケリアキア)」と言われています。
英語だと「Coeliac disease」ですね。
疱疹状皮膚炎はグルテンに触れると赤い水疱や蕁麻疹が現れる疾患です。
患者数は4万人いるとされていますが、知らないうちにセリアック病を発症している患者は7万人いるといわれています。
症状は腹痛以外にも多岐にわたるため、発見が遅れるパターンが多いのではないでしょうか。そうなると患者数は単純計算で11万人です。
実際は統計よりも多く患者がいることになります。
グルテンフリーというと食物アレルギーの方を対象にしたものと思いがちですが、グルテンを取れない理由というのは様々です。
セリアック病は自己免疫疾患、小麦アレルギーやグルテンアレルギーは食物アレルギーです。グルテン過敏症は原因がセリアック病でも食物アレルギーでもない場合を指します。
フィンランドをはじめとした北欧でグルテンフリー(小麦フリー)が一般的なのはこういった背景があります。
グルテンフリーの粉も一般的
グルテンフリーの製パン・製菓用粉もスーパーでは一般的です。
こちらはグルテンフリー粉として有名な Sunnuntai ブランドのものです。
手で触った感覚としてはコーンスターチや片栗粉を連想します。明らかに小麦粉とは異なりますがケーキなどに使っても仕上がりはかなり似ているので代用が非常にしやすいです。
※グルテンが入っていないのでパンやプッラ作りに使用する場合、レシピによっては多少の調整が必要になる時があるかもしれません。
そんな小麦アレルギーの人にもフレンドリーなお菓子やパンを作る時は以下の粉類を使用するのがフィンランドでは一般的です。
米粉
とうもろこし粉(コーンスターチとは別のものです)
そば粉
モロコシ粉(デュラ種)
上3つは日本人にとっても馴染みがありますね。モロコシ粉はご存じでない方もいるかもしれないのでちょっと解説します。
そんなモロコシ粉(デュラ種)は「Durrajauho」としてフィンランドで売られています。ちなみにjauhoは粉という意味です。
またそこまで一般的ではないかもしれませんが、テフという穀物粉も売られています。フィンランド語では「Teff-jauho」です。
オーツ麦(Kaura)もグルテンフリーの穀物としてはよく食されています。
グラノーラやミューズリーはグルテンフリーで製造されるのが一般的な印象です。
おすすめグルテンフリー商品
スウェーデンの会社 Semper はグルテンフリーの商品を多く展開しています。
自分はアレルギーでもセリアック病でもありませんが、そういった人が職場や友人宅に居て、何か甘いものを持参する場合ここのクッキーを買う時があります。
普通に美味しいので是非買ってみてください。
北欧土産にもいいかもしれません。
またビールもグルテンフリー対応商品は多いです。
こういった背景もありグルテンフリーの商品が多く開発され、一般的ともいえる位置になりました。アレルギーや遺伝性疾患を持っていても食生活が制限されていると感じない社会を目指すのは素晴らしいことです。
技術が進歩し、よりよい商品が開発されていくのは楽しみですね。