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オーストラリアで人生の師と出会えた話

飛行機の窓から雲の上に広がるの景色を見るのが好きです。


オーストラリアで自身の英語の勉強も兼ねた仕事を、ホームステイをしながら終えました。

仕事と言っても現地でのアシスタントや通訳程度のものですが、現地の学校で先生や生徒に混じって時間を過ごすことができた非常に貴重な経験がでした。

オーストラリアは初めて訪れる国。

治安はいいと聞いてはいましたが、初めての国というのはいつになっても少し緊張します。

滞在中、ホテルに泊まっても全然よかったのですが、あえてホームステイを選択しました。

自分の語学のスキルアップのため、という目的も兼ねていましたし、せっかくチャンスがあるならやってみよう、ということでこの歳になって初めてホームステイに挑戦することにしました。


"ホームステイ"と言うと高校生や大学生の頃に経験している友達がちらほらといたような気がします。

確か僕の母校も一定期間ホームステイを受け入れるプログラムがあったので耳にはしたことがありました。

受け入れる側と受け入れられる側。

お互い人間だし相性というものがあるから経験者の話を聞いてもピンキリだな、というイメージがあったので、自らが経験することになった時に不安がなかったといえば嘘となります。

上手くコミュニケーションが取れなかったらどうしよう。相性が合わなかったらどうしよう。

そんな不安を抱えながら現地に飛びましたが、1つだけ心に決めていたのは「溶け込むためにベストな努力をする」ということです。

郷に入れば郷に従え。

先方の家族の生活リズム、時間の過ごし方に全て合わせてみる。生活に溶け込んでみる。

そんなことをしていたら、僕の場合はこのホームステイで人生の師と呼べる人と出会えることとなりました。

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僕を受け入れてくれた人はオーストラリア人の教育分野に限らずいろんな分野の仕事をされている方でした。

先生として、ツアーコーディネーターとして、そしてホストファミリーとして世界各国からの留学生の面倒を見る。

そんないろんな面を持った経営者でもあります。

実際、家には他の国から学びにきている大学生が2名いて、一緒に生活をさせてもらいました。

滞在期間中は彼女の仕事のアシスタントとして職場に同行させてもらっていましたが、行く先々で彼女の仕事の姿勢は一貫していました。

「みんなにとって何が最もベストな選択か」

様子を見て、違うと思ったら当初の予定をすぱっと変更する。

1日の終わりには必ず振り返りを行なって、翌日に生かす。

なかなか日本では見られないディスカッションの数々と、決断力、そして引き出しの多さに驚きながらも、「仕事ってこういうことだよな」と思わされました。

こと、教育に関しては一人ひとりにアプローチが異なるものです。

個性をすぐに見抜いて適切なサポートを提案できるのは、多様性が豊富なオーストラリアというお国柄も関係があるのかもしれませんが、見習うべきポイントだと思いました。

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影響を受けたのは仕事面だけではありません。

むしろ、ウェルビーイングやワークライフバランスに対する時間の使い方について、最も大きく影響を受けました。

オーストラリアでは、朝早く起きて散歩やランニング、サイクリングをしたり、公園でのヨガ、ビーチで泳ぐ…等々、心身の健康のためのエクササイズや趣味を楽しむ時間を大切にしているようです。

特に、今の時期は夏なので、特にみなさん活発に行動されている印象です。

そんな中、仕事を終えて車で帰宅してる最中、彼女は毎日僕にこう誘ってくれました。

「とっきー、30分でも泳ぎに行こう。」

「とっきー、今日は乗馬をしに行こう」

「とっきー、今日は長めに散歩しよう」

きっと、オーストラリアの自然を体感させてあげようと配慮してくれたこともあるかもしれませんが、毎日仕事終わりにリフレッシュに誘ってくれるのです。

なかなか、こういう方と出会えるチャンスはあまりないのではないでしょうか?

そういう意味でも、とてもラッキーでした。

ある日、僕が「あなたは本当にアクティブだよね。疲れないの?」と尋ねると彼女はこう答えました。

「疲れないために、自然に触れるんだ。海で泳ぎ、風を感じながら緑に触れる。仕事は仕事。余暇は余暇。このバランスが崩れたらいい仕事はできないよ。」

ワークライフバランスという言葉が少しずつ浸透してきた中で、メリハリが大切であることを改めて学ばせてもらいました。

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彼女は家族の時間も大切にしていました。

オーストラリアの文化なのかもしれませんが、基本的に夕食は家族揃ってみんなで食べるように設定してくれていました。

みんなで一緒に料理をして、ご飯を食べながらおしゃべりをしてコミュニケーションを取る。

僕は結構この時間が好きでした。

オーストラリアでは必ず2つの質問がデフォルトでついてくるように感じました。

「How are you today?」
「How was the day today?」

今日あった出来事をお互いにシェアしあいながら「明日もいい日になるといいね」と会話を締める。

ついつい、日々を忙殺されていて大切な家族や恋人、友人とゆっくりと話す時間も取れない、ということは日本ではあるあるのことだと思います。

そういう意味でも、はっと思い出させてもらえる、そんな経験となりました。

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視野を広げる。

言葉にすると簡単ではあるのですが、いざ行動に移す、という段階となると尻込みするのが人間というものだと思います。

ですが、やはり何歳になっても「慣れ」というものは怖いなと今回の経験を通じて思いました。

自分の価値観がいかに凝り固まっていたかを、今回痛感したと同時に、日本では当たり前の価値観が、別の世界では非常識なことはたくさんあります。

逆に海外に出たからこそ、日本の良いところというものもわかったりします。

視野を広げる、ということはきっと「慣れ親しんだ世界から、一歩離れてみる」という行動をとらないとわからない。

それを教えてくれた師と出会えたことも、一歩踏み出したからこそ、得られた縁だと思うのです。

人生において、何が一番大切なのか?

そんなことも考えながら、今年1年も大切に過ごしていこうと思いました。


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