TOEICリスニング問題を3000問ほど解いて気づいたことをまとめてみた
実務でもプライベートでも一切リスニングを使わないけど、TOEICのリスニング問題をひたすら解きまくるという企画をやっているので、その経過報告のようなものです。
詳しい問題数は覚えていませんが、合計で3000問くらいは解いたと思うので、このタイミングで気づいたことや思っていることをまとめていこうと思います。
PART1 6問
基本的には主語と動詞さえきちんと聴こえていれば正答を導き出せる問題が多いのですが、6問中1問はよくわからん問題が含まれています。
私の中ではPart1は5問あってればいいやと思っているので、最後の1問は2択まで絞れれば御の字です。
そして、リスニング問題すべてに共通していえることですが、ナレーター次第で問題の難易度が大きく変動します。
イギリス人の声ひっくり返りおばちゃんの場合、ジャパネットたかたのように高音で裏返りながら話すので、めちゃくちゃ聞きづらいですし、不快な金切音を出してきます。
オーストラリアの超早口抑揚なしおばさんもかなり聞き取りづらいです。
こういうナレーターたちに当たってしまったときは、潔く諦めて、正解っぽいのを選ぶことにしています。
私の経験上、こういう変な発音をする外国人に出会ったことがないので、特殊なおばちゃんたちだと思って諦めております。
もしリアルな世界で出会ったら確実に笑います。
いずれにしても、Part1は消去法で2択にまでは絞れるので、あとは50%の確率で当たれば良いという感覚で解くのが精神衛生上よろしいのではないかと思います。
Part1には攻略法らしいものが何も無いので、丁寧に主語と動詞を聞き取って、写真と符合しているかを確かめていく作業をするしかないです。
カナダ人やアメリカ人のキレイな発音が出てきたらラッキーだと思って挑みましょう。
Part2 25問
最も納得いかない問題が多いのがこのPart2です。
正直日本語で出題されても「はぁ?」となる問題が散見されます。
TOEIC公式が公開しているサンプル問題ですら変な問題を出しているので、そういう仕様なのでしょう。
ちなみに、公式サンプル問題のNo.7では、以下のような質問に、以下のような回答をしています。
私の翻訳能力が足りないだけなのかもしれませんが、一応訳してみますね。
「新しいFAXマシーンはどこにあるの?」
「噴水の隣です」
家電大好き芸人の皆さんならわかると思いますが、この明らかに不自然な回答が正解なのです。
私は脳内で「家電製品であるFAX(電源と回線の接続が必須)をわざわざ噴水の隣におく馬鹿がどこにおる?ありえんな」と思って混乱しました。
そもそも、噴水は基本的に外にありますよね。
どうやって外の噴水の隣にFAX置くんだ?と思うわけです。
確実にイタズラされとるやろと。
それともまだ箱に入った状態で噴水の隣に放置されているのでしょうか。
もしかしたら、GACKT様のお部屋のように、家の中に滝型の加湿器がある人もいるかもしれないので、室内に噴水を設置している可能性もあります。
この人が働く会社は特殊で、オフィス内に噴水を設置しているのかもしれません。
お台場のビーナスフォートみたいなものですね。
そういう特殊なケースでも、家電製品を噴水の隣に置くというアグレッシブ馬鹿がTOEIC社員の中にいるだろうかという謎が脳内を駆け巡るわけです。
コナン君でなくても疑問に思うでしょう。
でも、噴水の隣が正解なんですよ。
つまり、こういうことです。
どういう状況やねん!
という怒りの叫びが心の底から沸き上がってきます。
いやもしかしたら、TOEICの実施機関であるETSがあるアメリカでは、噴水の隣にFAXを置くのが流行っていて、極一般的に見られる状況なのかもしれません。
それはもう文化の違いなので受け入れるしかないです。
しかし、これを本番の数秒しか思考時間がないときにやられると考えると、もう私には無理です。
正解を導き出せる気がしません。
仮に正解を導き出せたとしても、全く嬉しくないですし、怒りすら込み上げてきます。
もう試験としては終わっていると思います。
ちなみに、他の選択肢も一応見ておくと、以下のようなことを言っております。
私の中では、正解はAですといわれるより、まだBの方がマシだと思うのです。
「FAXどこですか?」「明日FAX送るんですよ(だから僕も新しいFAXがどこにあるか探してます)」とギリギリ推測はできます。
このように、Part2については公式ですら不適切だと思われる選択肢を正解にしてきます。
こういう悪問が本番でも量産されているのであれば、それはもうリスニングの試験ではないと思うので、お金を払ってまで受ける価値はないと断言したいと思います。
一方で、極々稀に出してしまった失敗問題ですということであれば問題なしです。
このあたりはTOEICを何十回も受けている猛者しかわからないと思うので、私には不明です。
いずれにしてもPart2は変な問題が多くて、問題集でも迷走している問題が散見されます。
そんな受け答えする人いないだろ!と言いたくなるような問題だったり、こんなアクロバティックな返答が正解にされるなら、他の選択肢も正解になり得ることになってしまう問題が多いです。
もしかしたら、TOEICの作問者自体の国語能力がかなり低いのかも知れないです。
日本と異なり、海外の基礎学力は相当低いですし、アメリカ人という大雑把な民族性もあるので、全然あり得ます。
米国税理士の試験でも明らかに文章がおかしい問題というのは頻出だったので、日本と同レベルで考える方が間違っているとすら思っています。
そうだとすると、リスニング試験というよりは、作問者の脳内イメージを推測する試験という感じになりますので、正直Part2の攻略法はよくわかりません。
いわゆる「捨て問」と考えるべきだと思います。
受験生としては、とりあえず最初の質問文を集中して聞いて、最も自然と思われる選択肢を機械的に選んでいくしかないです。
自然な受け答えがないんだけど……となったら明らかに違うと思われるものを除いて、テキトーに選ぶしかないです。
すべての選択肢を正確に聴き取れてさえいれば、消去法で2択までは絞れると思うので、50%の確率で正答できます。
それ以外の普通の問題だけ落とさないように注意すれば、8割くらいは取れると思うので、それでもう十分だと思います。
こんなよくわからない受け答えが正解になるような試験をわざわざお金をかけて受けたのですから、むしろ受験生の皆さんを褒め称えてあげたいくらいです。
ちなみに、私の知り合いに英語ペラペラのハーフ弁護士がいるのですが、彼が昔、TOEICについてこう言ってました。
「あれは論理的にありえない問題が多いし、複数の選択肢が正解になり得る悪問が多くてバカバカしいから受ける価値ないよ。TOEFLにしなよ」
当時はTOEICを全く知らなかったので何ともいえませんでしたが、今ならこう思います。
そのとおりだ!
Part3 39問 / Part4 30問
Part3と4はよく似ているので、まとめて語っていきます。
違いとしては、Part3が2~3人の会話形式で出題される形式で、Part4が一人が長文を読み上げる形式です。
いずれも3問ずつ設問があって、選択肢は4つずつあります。
シチュエーションは様々ですが、基本的にはビジネス上の会話や店内アナウンス、留守電メッセージや注文の確認などとなっています。
日本のビジネスでも普通によくあるシチュエーションなので、理解しやすい内容です。
今のところ、このPart3・4については、解き方が3パターンくらいあるなと思っています。
それが以下の3つです。
1.すべて先読みするパターン
2.設問文先読みパターン
3.先読みなしパターン
私としては、3.が理想形態だと思っているので、今は3.で頑張って解いております。
一応それぞれの解法パターンについて解説しておきます。
1.すべて先読みするパターン
最も正答率が高くなる解法はこれです。
設問及び選択肢をすべて先に読んでおいて、その後に音声を聴き、回答をするという方法です。
本番では、15~20秒くらい空白時間があるようなので、その時間に設問文と各選択肢をざっと先読みして、これから流れる音声のシチュエーションについて予測します。
そして、各設問で問われていることを話すポイントに集中して聴くのです。
例えば、設問で「話している女性の人は昨日何をしましたか?」と聞かれているならば、女性の人が昨日したことに集中して聴けば良いわけです。
さらに、選択肢が「レストランに行った」「イベントに参加した」「求人に応募した」「休みを取った」だったとすれば、これから話される内容がそのいずれかであることが確定するので、かなりの確率で聴き取れます。
完全な先読みをしていれば、相当高い確率で聞き取れるようになるので非常に有利な立場でリスニング問題に挑むことができます。
いわば王道パターンです。
この方法の最も難しいところは、わずかな時間ですべての設問と選択肢を読みきらないといけないという点です。
つまり、リスニング能力よりもリーディング能力が求められる解法といえます。
これを実現するためには、脳内で「英文を音読する」という作業を辞めないといけませんし、それと同時に脳内で「日本語に翻訳する」という作業をしないように訓練する必要があります。
英語を英語のまま瞬時に理解する練習をしていけば、徐々にできるようになるはずなので、いずれは先読みのプロになれます。
そういう技術と能力が試されている試験という感じです。
2.設問文先読みパターン
上記の先読みは、一般的には無理があります。
わずかな時間で選択肢まで読み切るにはあまりに時間が足りないからです。
できるとしても数問だけでしょう。
したがって、ほとんどの人はこの「設問文先読みパターン」で処理していかざるを得なくなります。
この解法パターンでは、設問だけ先に読みます。
「話している女性は昨日何をしましたか?」
「女性は聞き手に何を提案していますか?」
「聞き手は何を依頼されていますか?」
このような設問がよく出るので、その部分だけ先に読んでおきます。
あとはリスニングに集中して、それぞれの設問に対する回答のカギとなる部分を聞き取ります。
その後選択肢を見て、正解と思われるものを選ぶという解法です。
選択肢まで全て先読みするパターンと比べると限定的な情報しか先読みできないので、正答率はどうしても落ちます。
しかし、設問を読んでいれば、これから話される内容がある程度予想できます。
例えば上記の3つの設問からは、女性が登場すること、女性が昨日したことを話すこと、女性が聞き手に何かを提案すること、聞き手が何かを依頼されることがわかります。
ということは、少なくとも2者間で時系列に沿った何かしらの話がなされて、片方が何かを提案して、かつ、何かを依頼するのだというのが予想できます。
これだけでもだいぶ心構えができるので、聞き取りやすくなります。
多くのTOEIC受験者がこの方法で解法しているはずですし、それによって7~8割程度の高い正答率を維持できていると思います。
3.先読みなしパターン
さて本題です。
結論としては、私はこの解法を推しております。
まず上記1.と2.は、確かに正答率を上げるという目的との関係では極めて合理的で、素晴らしいテクニックだと思います。
しかし、実際の英会話やビジネス上の会話のときに、様々な点を先読みする機会なんて無いと思うのです。
もちろんある程度こういう話をするだろうなという予測はできますが、その予想が裏切られる場面も多くあります。
そうだとすると、本当の意味でのリスニング能力を鍛えるなら、先読みをあえてしないという方法が正しいのではないかと思うのです。
したがって、先読みなしパターンとは、一切先読みをしない状態で対話やナレーションを聞いて、設問文が読まれた後の数秒間に4つの選択肢をそれぞれ見て、正解を導き出すというストロングスタイルです。
私はこの解法が気に入っております。
この解法は点数を取りに行くための解法ではないので、当然に正答率は落ちます。
でも、本当の意味でのリスニング能力が鍛え上げられる解き方です。
ナレーションを全部聴けて、全部覚えてさえいれば、基本的には3問とも正答できます。
これをほぼすべての問題で達成できれば完成です。
ちなみに、どう考えても変だなという設問や、複数の正答が考え得るという問題もたまに出るので、そういうのは「正解する必要すらない悪問」と割り切って良いです。
大事なのは、ちゃんと聴こえているなら正解できると思われる問題を全問正答することです。
どうせ使いもしないリスニング能力ですが、せっかく学ぶならストロングスタイルが良いです。
ということで、最近はずっとストロングスタイルで勉強しております。
その他
話としては上記で終わりですが、少し余談も書いておこうと思います。
企画に従ってリスニングの勉強を始めたのがちょうど1ヶ月前だったと思いますが、この1ヶ月で耳がだいぶ変わってきたなと感じています。
最初はTOEICのナレーションスピードが早いなと感じていたのですが、今は1.1倍速でずっと聴き続けているのでむしろ遅いなと感じる場面が増えました。
そろそろ1.2倍速にしても良いかもしれません。
徐々に速度を上げていければ良いですね。
そもそも私は、どんな分野の勉強でも量が命だと思っているので、このペースで解きまくっていけばなんとかなると思っています。
1年間だけの企画ではありますが、おそらく先にabceedの書籍が尽きますので、それくらいのペースで潰していきます。
2周目~3周目まで解いておきたい問題集は極僅かですが、それも追々やろうと思います。
大量に聴いて、大量に解いて、鼻くそほじくりながらでも正答できるレベルまで仕上げてから、実際に初受験をしてみましょう。
いつ受けに行けるかは仕事の忙しさ次第ですが、今年中に受ける予定です。
それにしてもリスニングは不思議です。
スクリプト上は大して難易度の差がない問題でも、片方は瞬時に理解してすべてわかるのに、もう片方は何いってんだ?と聴き取れないものが存在します。
でも、次の日に聞いてみると、どっちもすんなり聴こえます。
また、日によっても全然聴こえ方が違うのです。
今日はめちゃくちゃ調子良いなという日は、英語を英語のままスラスラと理解できます。
日本語よりも先に情景が映像として浮かんで来るので、翻訳の必要すらありません。
一方で、調子が悪い日は、全然映像が出てこず、ゴチャゴチャと呪文を唱えている外国人にしか聴こえません。
こういう日はスクリプトを見てやっと理解できます。
スクリプトを一度読めば全部聞こえるのですが、読むまでは全然意味不明です。
おそらくこれは、私の脳内で「英語脳」が作られている過渡期だからだろうと思っています。
言語を司る脳の部位に電気信号が正しく行き渡れば、英語を英語のまま理解できるようになるはずで、それが常態化されるはずです。
脳の成長はゆっくりなので、日によって回路が繋がったり、切れたりするのでしょう。
そうやって少しずつ電気信号の繋がりがスムーズになっていくのだと推測しております。
感覚としては後半年~1年このペースで英語を聴き続ければ、かなりの精度で聞き取れるようになるのではなかろうかと思っています。
ということで引き続き頑張ります!
【企画の概要】
【補足情報】
その後気になって調べてみたところ、water fountain という単語は、噴水式水飲み器を意味する単語なのだそうです。
今ではほとんど見かけませんが、市役所の廊下とかに無造作に置いてあるあれです。
この水飲み器の隣にFAXを置くという状況……いやないわ!
どっちにしろないわ!