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十月の花嫁へ一冊の絵本を贈る


今、テーブルの花瓶には、
式の帰りにいただいた花束が飾ってあります。
ガーベラとかすみ草と薔薇の花。
あの日、会場を彩っていたお花のたちです。


秋風の心地よい土曜日、
友人は、純白の花嫁になりました。

恥ずかしげに染まった頬と
きらきらと輝く黒い瞳。

私は
美しい花嫁の姿を思い出しながら
手紙を書きました。

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先日は、素敵な結婚式に招待してくれて
どうもありがとう。
心のこもった、あなたのおもてなしに
私をはじめ、参列した友人みな
あたたかい気持ちをもらいました。

心やさしいあなたの事だから
自分の「楽しかった」にも増して
来る人の「楽しかった」を叶えようと
たくさん、たくさん
考えてくれたこと、
とっても、伝わってきましたよ。

そして、あなたが
ご両親に向けた手紙の朗読で
言ってくれた、

        「お母さん、今日ここにいる
          私の友人は
          素敵なひとばかりでしょう?
          みんな、私の自慢です。
          そして、私の人生には欠かせない
          大切な人です。」

という言葉。
あの言葉は、ほんとうに嬉しかった。

私も、あなたの素晴らしい人生の一部に
一部のうちの、ほんのひと欠片にでも
なれているのだとしたら
こんなに嬉しいことはありません。


これからは
大好きな旦那さんといっしょに
人生を重ねていくのですね。

遠距離恋愛は
大変なときもあったでしょう?
(私も同じ経験をしているから
気持ちはちょっぴり分かるつもりです。)

でも、この先は
『好きな人と、同じ家に帰るしあわせ』を
存分に味わってくださいね。

そうそう、
最後になってしまったけれど
晴れやかな門出を迎えたあなたに
届けたい本があります。

同封していますから、
お暇のある時に、ぜひ。

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選んだのは、一冊の絵本です。

ただ、絵本といっても、大人のための絵本。
これは、「愛するひと」がいる方へ
贈りたい物語なのです。

幸福な質問   (作・おーなり由子)


手紙を書き終えた頃にはもう
空には、やすらかな夕暮れが
広がっていました。

秋の、かわいい三日月が
ひょっこりと
顔を覗かせていました。


これからもあたたかい記事をお届けします🕊🤍🌿