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【宮城の味わい】放置竹林の孟宗竹からメンマ/里山の「厄介者」を特産品に

 緑濃い丘陵が広がる宮城県村田町で、放置竹林からメンマが生まれた。しゃきしゃきとした食感、ぴりりと香る香辛料。土地の恵みと人々の創意工夫が詰まった逸品だ。

 企画したのは同町の元地域おこし協力隊員、河合謙次さん(44)=東京都出身=。今年6月末まで3年間の任期中、住民の高齢化などで手入れが行き届かない竹林の解消に取り組んできた。

 地域の厄介者を資源に変えようと、障害者の自立を支援する町内の一般社団法人「ふくのね」と連携。今春、メンマ作りに乗り出した。

 5月、1メートル以上に伸びた孟宗竹のタケノコ約500キロを収穫し、ふくのねの利用者らが皮をむいてカット。米ぬかとゆで、天然塩と乳酸菌に漬けて発酵させた。

 サンショウの風味が爽やかな「香油★メンマ」、スパイスを利かせた「メンマハリッサ」を7月に発売。先行して商品化したインド風ピクルス「タケノコアチャール」と共に、町内の道の駅などで取り扱う。

 特産品の創出と里山保全、障害者の就労につながる「一石三鳥」のプロジェクト。引き続き町に残って活動する河合さんは「みんなが幸せになるメンマだ」と胸を張る。(河北新報社)


孟宗竹から2種類のメンマを開発した河合さん=2024年8月、宮城県村田町


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