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「やりたいことをやる」経営者と「できることをやる」経営者

「なんでうちの従業員の仕事の質はこんなに低いんだ」
「自分が目を離すと、会社が回らない」
「なんで、こうも社長としてやるなければいけないことが多いんだ」
「なんで、いつも同じような人の問題が起こるんだ」

こんな悩みを抱えて、行き詰っている経営者の方が多くいらっしゃいます。

この経営者の悩みの根本的な部分には、起業家と職人の視点の違いがあります。

この本『はじめの一歩を踏み出そう』を読んで、この根本的な部分の違いが言語化されています。

どんな事業にも選択肢は成長するか、縮小するかの二つしかない。せっかく事業が大きくなっても、いろいろな問題が起きてくると、職人タイプの経営者はそれを解決することをあきらめて縮小させてしまう。せっかくつくりあげた会社なのにね。でも、これは自然な反応なんだ。そして『事業を縮小する』会社は、死を迎えることになる。今すぐではなくても、いずれ消え去ることになってしまう。これ以外に、どうにもらないんだ。」

「はじめの一歩を踏み出そう」 マイケル・E・ガーバー p.82

起業家の視点と職人の視点の違い
・起業家は「事業が成功するにはどうするべきか?」と考え、職人は「何の仕事をすべきか?」を考えている。
・起業家にとって、会社とは顧客に価値を提供する場所である。その結果、利益がもたらされる。職人にとって、会社とは自己満足のために好きな仕事をする場所である。その結果として、収入がもたらされる。
・起業家は、最初に会社の将来像を確立したうえで、それに近づくために、現状を変えようとする。一方で職人は、不確実な将来に不安を抱きながらも、現状が維持されるのをただ願うばかりである。
起業家は、まず事業の全体像を考えてから、それを構成する部品を考える。しかし、職人は、事業を構成する部品を考えることから始まり、最後に全体像がつくられる。
・起業家は全体を見渡すような視点をもっているが、職人の視点は細部にこだわりがちである。
・起業家は自分の描く将来像から逆算して現在の自分の姿を決めるが、職人は現在の自分に基準に将来の自分の姿を決めてしまう。

「はじめの一歩を踏み出そう」 マイケル・E・ガーバー p.91-92

「顧客は私の事業をどう思っているのだろうか?私の事業は競争相手と比べて、どれくらい差別化できているのだろうか?」という問題意識を起業家は常にもっている。
 このようにして起業家の視点は、まず顧客像を明らかにするところからスタートする。はっきりとした顧客像をもたないかぎりは、どんな事業でも成功しないのである。
 反対に職人は、自分にできることを決めたうえで、その売り方を考える。結果として、誰にどのようにして売るのかという問題は深く考えられないままになってしまう。こんな事業は、顧客を満足させるためではなく、職人の自己満足のために存在するようなものである。
 起業家にとっては、事業そのものが商品である。
 職人にとっては、商品とは顧客に手渡すものである。

「はじめの一歩を踏み出そう」 マイケル・E・ガーバー p.94-95

事業を作ることを目指して、前に進むか。
出来ることに拘り、出来ない理由に苦しむか。



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