【読書ノート】「観察力の鍛え方」
読んだ本の気になる部分を書き留めていきます。
今回採り上げる本は、「観察力の鍛え方」著.佐渡島庸平です。
この本は、知り合いに薦めて頂いたことと、COTEN RADIOで紹介されていたことで、出会えた本です。
気になる点を2つ、書き留めておきます。
感情を観察し、注目していることを手放し、感情が変わり、行動が変わる
「感情をコントロールする」というと、感情を抑制すると捉えがちです。
しかしここでは、自分が抱えている感情を「自分が今、何に注意を向けているか」という視点で言語化し、次に「感情の選択」をすることに向かうという、非常に興味深い内容が書かれています。
感情に源泉を見極めることは、今まで何となく理解していましたが、次の段階として「感情を選択」し、「感情が変わって行動が変わる」という部分、新たな視点でした。
あいまいの4象限
本書の主旨とズレるかもしれないけれど、この部分を読んだとき、ナレッジマネジメントのSECIモデルが頭に浮かびました。
SECIモデルは、相互作用の「場」を作ることで共同化し、「対話すなわち共同思考」によって表出化を行い、知識の結合によって結合化を行った後、これらを使ってみる「行動による学習」が内面化の引き金となる、という一連の循環です。
本書では個人を対象にしているため、社会的相互作用を通じて新たな知の創造を説明するSECIモデルとは扱っている領域が異なりますが、『人は分人の集合体であり、中心や本当の自分はない』(p.178)という本書の内容を踏まえると、分人を観察することで、分人間での相互作用の場を作り、分人間の結合化ののち、新たな内面化の引き金になる、というような読み方も出来るような気がしています。
最後に
観察することは、観る自分と、観られている自分を切り分けていること。
観察することで、観る自分と観られている自分の相互作用で、この観ると観られるの間に、新たな自分を創り上げていく、そんなメッセージを私は受け取りました。
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