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「食費1か月1万円は余裕!」に騙されるな?Xで尽きない「自炊はコスパいいのか悪いのか」議論
4月からの新生活に向けて「自炊にチャレンジしようかな」と考える人は多いことでしょう。X(Twitter)では、自炊に関するさまざまな話が日々投稿されています。
中でもたびたび巻き起こるのが「自炊のコスパ」についての議論です。自炊に対する考え方は食生活に対する価値観や、生活環境の違いなどさまざま要因で変わるので、議論が白熱しやすい傾向にあります。
ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する
「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド」
今回は「自炊のコスパ」について掘り下げます。
食費月1万円生活の実態は
「自炊で1か月の食費をいかに抑えるか」というノウハウや体験談は、Xに限らず、さまざまなメディアでよく取り上げられます。しかし、そうした節約術に疑問を持つ人もいます。
あるXユーザーが、新社会人に向けて「ネット上での『(1か月の)食費1万円で過ごすのは余裕』といった情報にだまされないでほしい」と呼びかける投稿が注目されました。
投稿者は、1か月の食費を1万円で抑えることができている人について「実家から米や肉などを送られている」「近所によっぽどいい激安店がある」「そもそも毎日ご飯食べなくて平気」といった、特殊な背景があって実現していることが多い、と考えているようです。
投稿に対して他のユーザーからは「3食栄養バランスを考えて自炊すると1日400~700円は確実にかかる」「米が食費の計算に入ってない人とかよく見かける」「環境で全然違ってくると思います」といった指摘が相次ぎました。
また実際に「食費月1万円生活」を試してみたことがあるという人の体験談も寄せられました。「超キツイ。タンパク質が不足するので体調を崩しやすくなる」「仕送りなしで1万円やったけど、パンの耳とかパスタとか駆使してやっと」「ホントにやったことあるけど毎月は続かない」といったコメントを見ると、かなり過酷な現実が伺えます。
一人暮らしの自炊は時間的コスパが劣悪、の声も
自炊のコスパの議論でスポットが当たるのは金銭的なコストばかりではありません。一人暮らしの自炊について「金銭的な意味よりも時間的なコスパが劣悪」という投稿が共感を呼んだ例もあります。
投稿したユーザーは、毎晩料理を作る面倒くささから「寸胴鍋に4リットルのミネストローネを作る」といった一度に大量に作る自炊スタイルに行きついた様子。一方で、ゲームになぞらえて「『同じものを続けて食べても平気』という固有アビリティ(能力)を装備してないときついと思う」とも書いています。
こちらの投稿をきっかけに「一品料理だけならまだしも、複数菜作るとなると2時間くらいあっという間ですもんね」「自炊の時間を考えると、仕事終わりにスーパーでお弁当を買って、帰宅後数分で食べられる状況に甘えてしまう」といった反応が寄せられました。
自炊について「時間も含めてコスト」と捉えている人が少なくないことが伝わってきます。
「自炊やる必要ある?」へのリュウジさんの見解は
自炊のコスパについて、プロの見解はどうなのでしょうか。
「スーパーの(値引きで安くなった)半額弁当を買ったほうが安くないですか?自炊をやる必要ある?」という質問に対する、料理研究家のリュウジさんの回答が反響を呼びました。
リュウジさんは「金だけで言えば全然やんなくていい」ときっぱり。その理由として、「自炊が安くすむかどうか」は調理する人のスキルによって変わり、また自炊する環境を作るための初期投資も必要になって来るので、「時間とお金が惜しい」ならやらなくても生きていけると書いています。
しかし、その上で「毎日違う味の料理を自分で食えるって人生におけるメリットが半端ない」とも。「スーパーの半額弁当は味付けが変わらないから、いつもそれだと心が死ぬ」という精神的なデメリットも挙げつつ、自炊についてお金や時間以外のメリットの大きさを示した形です。
実際に食事をスーパーのお弁当屋外食だけで済ませ続けた結果「心が死ぬ」状況になったという人は多いようで、リュウジさんの言葉に共感する反応が複数あがっています。「自炊できるってことは、『半額弁当を買う』も選択できる」「人生は0-100じゃない。(自炊ができると、食の選択で)割と調整が効く」といった、食生活の幅が広がることをメリットとして挙げる声も出ていました。
Xで注目される「自炊のコスパ」についての話題を見ると、「自炊はコスパが良いのか、悪いのか?」という問いに対して明確な答えを出すことは難しいことが伝わってきます。だからこそ、永遠の問いとして、これからも繰り返し議論が巻き起こりそうです。