来院してない人が書く「低評価レビュー」に悩む病院は多い? 「口コミとの向き合い方」をTwitter(X)から探る
ネットを通じて買い物をしたり、お店を選んだりする時に「口コミ」を参考にしている人は少なくないのでは。
実際にその商品やサービスを利用した人によるリアルな評価は、選択する上で貴重な情報です。いっぽうで、投稿した人の顔が見えないこともあってか、口コミの中に信頼しがたい情報が含まれていることも多々あります。
Twitter(X)では、そんな口コミにまつわる悲喜こもごもの体験談や知見が定期的に拡散されます。ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいでわかる週刊Twitterトレンド」、今回は「ネットの口コミの信頼性」について掘り下げます。
Amazonレビューで信頼できるグラフの形は
もはや現代人の生活に欠かせないインフラでもあるAmazon。Amazonから日常的に商品を購入する中で、「星」の形で評価される口コミを参考にしている人も多いことでしょう。
しかし、中には明らかに評価の内容が偏っていたり、その内容に疑問を抱いてしまうような口コミばかりが投稿されていたりすることがあり、口コミを全て手放しで信用できるとは言い難い現状があります。
そんな中、あるユーザーが「Amazonレビュー」の信頼度を見分けるポイントについてまとめた投稿が大きな反響を呼びました。
Amazonのレビューは、星による5段階評価で成り立っており、その商品についてどれくらいのレビューがついているかをグラフで確認できます。
投稿者は、Amazonレビューのグラフの特徴を元に、安心度の基準を図とともに紹介しています。例えば「星5の評価が一番多く、4、3…と下がるにつれてレビューの数が減っていく」といういわゆる「F字型」のグラフになっている商品は「健全に評価されていて安心感が高い」とのこと。
逆に、「星5の評価が極端に多く、それ以外の評価がほとんどついていない」「星5の評価と星1の評価が突出して間の評価が少ないM字型」といった極端なグラフになっているものについては「地雷率が高い」といった判断です。
投稿を見た他のユーザーからは「分かる。あまりにも高評価しかないと逆に不自然」「実際に購入者がレビューしてるのかとかも見たほうがいいね」といった声や、「Amazonに限らず他のWebサービスでも同じことが言える」とする意見もありました。
医療関係者が頭を抱える「根拠のない罵倒レビュー」
サービスの提供側が、口コミに頭を抱える例もあります。
Googleマップでは、各施設の口コミを投稿できるシステムを導入しています。
そんなGoogleマップの口コミで、病院やクリニックなどの施設について、「該当の施設に行ったことがない人が低評価と罵倒のコメントを残すケースがある」という衝撃的な話が注目されました。
投稿したユーザーは、実際にGoogleマップで心無い口コミを見たり、また知人のクリニック関係者が「全くのデタラメを書き込まれて本当に悩んでた」といった話も聞いたという話をつづっています。さらに知人については、Google側に異議申し立てをしても「(口コミを投稿した人の来院が)なかった」ことを証明できないため、削除対応してもらえず、そのレビューが残ったままになっているようです。
にわかに信じがたい話ですが、こちらの投稿に対して、やはり行きつけの病院や知り合いの医療従事者が似たような被害にあっていて困っている、という報告が続々と寄せられました。
いっぽうで、「もちろん(酷い対応を受けたことについて)本当の口コミの場合もあるから判断が難しい」という利用者視点の声も。
口コミの匿名性がサービス提供者、利用者の双方にとって信頼に関わる問題の種になりうることが分かる例です。
「低評価のビーフシチュー」レビューが愛好家を唸らせる?
低評価レビューが思わぬ形で人の役に立った、という興味深い話も。
料理人で飲食店プロデューサーのイナダシュンスケさんが、ある飲食店で提供されているビーフシチューに関して、低評価レビューを見たことをきっかけに「それはきっとおいしいやつだから、食べてみねばと思った」と投稿しました。
レビューの内容は「肉はスプーンで切れない、野菜は少ししか入ってなくて煮込まれた形跡もない」というもの。肉や野菜にしっかりとした歯ごたえがあるビーフシチューを愛好する人は多く、この低評価レビューがかえって愛好家にとっての参考になるというのです。
実際に見た人からは「私が大大大好きなタイプのビーフシチュー!!」「ごろっごろの具材が入っていて肉は多め野菜少なめしっかり肉の触感を残したビーフシチューたべたいよなああああ!!」と興奮気味のコメントが数多く寄せられました。
「低評価から求めていた逸材を拾い上げるの、砂金拾いみたいでスゴイ」「レビューは信用してないけども、こんな活用法が」と低評価口コミの意外な活用方法に驚く反応も少なくありません。
Twitterで拡散される口コミに関する話題を見ると、利用する人が、口コミからさまざまな角度で情報を得ていることがわかります。口コミの内容を手放しで鵜呑みにできるケースばかりではないからこそ、他人の口コミに対する関わり方・捉え方が気になってしまう人が多いのかもしれません。
以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」でした。この連載は毎週月曜日に更新。これからもTwitterから見えた興味深いトピックを解説していきます。
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