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マイルス・デイヴィスだいたい100枚レビュー

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マイルス・デイヴィスのアルバムをだいたい100作ほどレビューしていきます。
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マイルス7枚目「マイルス・デイヴィス・オールスターズ Vol.1」と「ジャズ」

※現在noteでアマゾンの埋め込みが機能しない不具合があるので、しばらくは画像なしでの更新となります。 [Miles Davis Vol.1]「マイルス・デイヴィス・オールスターズ Vol.1」 【録音】1952-05-09, 1953-04-20 【リリース】1955 初期のマイルスはプレスティッジというレーベルから作品を出すことが多かったのですが、この作品はジャズの名門であるブルーノートからのリリースになっています。 マイルスは1952年から1954年の間に年一回の

マイルス6枚目「ディグ」は実は重要作

※現在noteでアマゾンの埋め込みが機能しない不具合があるので、しばらくは画像なしでの更新となります。 [Dig]「ディグ」 【録音】1951-10-05 【リリース】1956 「ハードバップ」の原型を築いたとされる作品で、この時の録音からフォーマットがSPより収録時間の長いLPになったのが一番のトピックになります。 この辺は何か情報が錯綜していて、最初から12インチLPを前提とした録音だったという記述も見かけたのですが、おそらくそうではなくてここでのLPとは10インチ

マイルス5枚目「バードランド 1951」と場所の持つ力

[Birdland 1951]「バードランド1951」 【録音】1951-02-17, 1951-06-02, 1951-09-29 【リリース】2004 マイルスの1951年のニューヨーク・バードランドでのライブをまとめたもので、ジャズの名門・ブルーノートから2004年にリリースされた作品です。会場の「バードランド」の名前の由来はチャーリー・パーカーの愛称である「バード」からなんだとか。 音質は悪く、派手にノイズが入る部分もあり、時代を考えてなんとか許容できるかどうかと

マイルス4枚目「マイルス・デイヴィス・アンド・ホーンズ」のモヤモヤした価値

[Miles Davis And Horns]「マイルス・デイヴィス・アンド・ホーンズ」 【録音】1951-01-17, 1953-02-19 【リリース】1956 初期のマイルスはプレスティッジというレコードレーベルと契約していたのですが、本作は彼のそのプレスティッジでの1951年の初録音を含む作品です。この時サックス奏者のソニー・ロリンズと初共演します。 1951年1月17日のマイルスは3つのレコーディングに参加していて、まず最初にチャーリー・パーカーの「スウェディッ

マイルス3枚目「パリ・フェスティヴァル・インターナショナル」と青春

[In Paris Festival International de Jazz May, 1949]「パリ・フェスティヴァル・インターナショナル」 【録音】1949-05-08~1949-05-15 【リリース】1977 マイルスがタッド・ダメロンらと共にパリの国際ジャズフェスティバルに参加し、初めて海外公演を行った時の録音です。音質は良くないので万人におすすめできるかと言えば微妙なところですが、マイルスにとっては重要な音源だと思います。 「クールの誕生」と近い時期では

マイルス2枚目「クールの誕生」と意志の力

[Birth Of The Cool]「クールの誕生」 【録音】1949-01-21, 1949-04-22, 1950-03-09 【リリース】1957 1948年~1950年頃のマイルスはホルンやチューバなどのジャズでは珍しい楽器も用いたノネット(九重奏団)を率いて今までのビバップとは異なったアンサンブルを重視した音楽を作り始めていました。本作はそのノネットのスタジオ録音が収録されたものになります。 作品のタイトルはSPで発売されていたものがまとめられてLP化されると

マイルス1枚目「ファースト・マイルス」は音を楽しむというより・・・

[First Miles]「ファースト・マイルス」 【録音】1945-04-24, 1947-08-14 【リリース】1990 一枚目に扱うのはマイルスの初録音と初リーダーセッションが収められているこの作品です。 本音を言えば最初にはもっとおすすめできるようなものを紹介したかったところなのですが、このレビューではだいたい時系列的に取り扱っていくので最初はこの作品ということになります。 1945年の記念すべき初録音は、この時18歳のマイルスがラバーレッグス・ウィリアムスと

「マイルス・デイヴィスだいたい100枚レビュー」を始めます

はじめまして。いきなりですが、「マイルス・デイヴィスだいたい100枚レビュー」を始めます。宣言して始めると何か大層なものだと思われそうでどうしようかと思いましたが、一応自己紹介的な文章は必要だろうということでそれも兼ねて。 自分がこのマイルス・デイヴィス(Miles Davis)というミュージシャンの音楽をちゃんと聴き始めたのはこの記事の執筆時から7年ほど前の30代の初期くらいの頃でした。 元々ロック好きだった自分は、若いころは色々音楽を聴き漁っていました。しかしながら少