自分の価値観を明確にしよう! ムーギー・キム著「最高の生き方」
kindle unlimitedで、ムーギー・キム著「最高の生き方」を読んだ。
ムーギー・キムという名前からすると日本人ではないようだが、プロフィールを見ると慶応大学を卒業している。
国籍は不明だが、訳本ではなく、日本語で書かれている。(と思う。)
著者によると、社会的には成功しても、人生に価値や意味を見出せないという者が多いという。
かく言う私も、給与面では上位の方に属している(大したことはないが)だろうし、これから給与が増えるだろうことも予想されるが、それでも、日々、根拠のない不安と焦燥にかられている。
この思いに応えようとするのが本書の狙い。
著者は、人が持つ根源的な欲求と価値を10のパターンに分ける。
①生理的欲求と安全(衣食住の確保・個体の保存・種の繁栄等)
②闘争本能・競争本能(種族全体の発展のための攻撃衝動)
③愛情と帰属(生き残るための共同体形成への欲求)
④承認欲求(外部から認められたい虚栄心)
⑤貢献欲求(社会に対する生産欲求)
⑥学習・成長欲求(知的好奇心)
⑦遊び(没頭・熱狂)
⑧認知欲(生きる目的を知りたいとする哲学的思考又は信仰)
⑨美術・芸術(感動欲求)
⑩生きがい
これら10パターンの優先順位と組み合わせは、人それぞれで、これが各人の「幸福関数」になるという。
私の場合、写真・映画観賞・読書(雑誌含む)・ブログをやっているので、
幸福関数=「遊び」×「美術・芸術」×「学習・成長欲求」×「承認欲求」×「認知欲」
という感じになる。
ここで重要なのが、この幸福関数の分母に「他人の幸福度」を入れないことだという。
他人の幸福度を分母にするということは、他人が幸福であった場合、自分の幸福度は下がる。
そこに嫉妬と足の引っ張り合いが始まる。
幸せになりたければ、決して自分と他人を比べてはならない。
本書でいう最高の生き方は、「外部からの承認を目的とせず、好きなことをやり続け、結果として社会に受け入れられる場合」。
もちろん、そんな生き方が出来るのは稀。
実際は、自分の仕事を自分の信じる価値から構築しなおして取り組んでいくしかない。
なお、本書では、自分が価値があると思っていても、実は、帰属してる集団が求めている価値となっている場合があるため、価値観を変えるには、アイデンティティを再選択する必要があるとする。特に国家への帰属意識から脱却すべきという。
確かに誰もが、所属している国の文化と歴史にどっぷりと影響を受けている。
しかし、それから自由になったフリはできても、真に自由にはなれない。
何故と言って、人間は言葉の動物だからだ。
誰が発明したわけでもなく、長い長い歴史の中で形成されてきたその国の言葉を、皆受け継いで生きている
私は日本人であるし、自分の意志で日本人になったわけではないが、そこは運命愛として受け入れることが幸福な人生を歩む重要なポイントであると思う。
最後の部分だけは、少し納得いかなかったが、その他は示唆に富み、そして読みやすいのでおすすめです。
Kindle unlimitedを契約している方は是非。