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『ブッダという男』感想文とか その3
3回目となる『ブッダという男』の感想文。今回は早め?に更新いたします。
そんな今回は第二部「ブッダを疑う」の6章から。前回までで「ブッダは平和主義だったのか?」「業と輪廻を否定したか?」「階級差別を否定したのか?」について、いずれも「NO」という答えでした。
第二部 ブッダを疑う
4.男女平等を主張したのか?
そして、もう読む前から予想がつきそうな4つ目の質問。
本書によると、なんか90年代にフェミニストから「仏教には性差別的な面がある」と因縁つけられたみたいで、
だからといって「釈尊は女性差別なんてしておりません。教えを曲解した弟子が悪いよ弟子が~」などと取り繕うとするのは、仏教者もしくは仏教学者としてどうなの、人権ヤクザに屈するなんてお前ら情けない格好恥ずかしくないの、などと呆れてしまいます。矜持はないのか矜持は!
もろちん初期仏典においては、
世の女たちは誠に不実である。女たちは際限というものがない。すべてを喰らい尽くす火のように、執着し、傲慢だ。女たちを捨てて、私は出家しよう。遠離して修行するために。
なんていったゴータマ君の言葉が書かれております。
これがモテない人間の台詞ならただの負け惜しみなのだけど、女をとっかえひっかえでき、12歳だか13歳だかの嫁さんを妊娠させた御身分のゴータマ君がそういうのだから、そうなのかもしれません。
でも「際限のない欲望」があるのは別に女だけじゃなくて男もそうだと私は思いますけどな。
何度も紹介している私お気に入りの映画『スカーフェイス』なんて、その「際限のない欲望」「最後には我が身を焼き尽くす欲望」がよく表現されていると思います。
アマプラ会員ならタダで見れるので皆見よう!
話は逸れたけど、前回の「人命の価値」同様、ゴータマ君が生きていた当時のインドに男女平等なんて価値観は無いんだから、女の方が劣っているなんて実際言ったとしても、別にけしからんとか怒ったり訂正しようとする必要なんて無いんじゃないでしょうか。
あと、女性でも悟れるというのは、別に仏教だけじゃなくてジャイナ教とか他の宗教でも同様とのことだったので、その辺も当時の価値観に合わせたって感じなのでしょう。
第三部 ブッダの先駆性
以上のように、ゴータマ君の言動を初期仏典にもとめてみると、
別に平和主義者ではない。当時のインドの価値観と同じ。
別に業と輪廻は否定していない。当時のインドの価値観と同じ。
別に階級差別は否定していない。当時のインドの価値観と同じ。
別に女性差別は否定していない。当時のインドの価値観と同じ。
となり、当時のインドの価値観ばっかじゃねぇかお前ん家ぃ!これじゃあ仏教の開祖というよりもただの当時のインド人、「村人A」だよ~となってしまいます。
でも実際には、ゴータマ君は「村人A」ではなくて仏教の開祖として通っている、ゴータマ君を仏教の開祖たらしめているものは一体何?という問いに対する回答が、この第三部に書かれていることであります。
その三部で書かれている内容を簡単にいうと、
他の沙門集団(六師外道)との違い
ゴータマ君の宇宙観と解脱
無我の発見
縁起の発見
となり、これが当時のインド人の価値観とは異なる、新しい発見だったとのこと。
まあ「発見」といっても、上記の発見がニュートン力学とかハーバーボッシュ法とかワットの蒸気機関等の「世紀の大発見」みたいに人類の生活様式を大幅に変えたかといえば、断じてそんなことはないでしょう。
現にインドではその後仏教は衰退してしまっているし、役に立つ大発見なら自然科学の発見みたいに今日まで残っているはずやで。
※こんなことを書いていますが、インドで衰退してもスリランカとか東の方に伝播していったと読者の方からご指摘を受け、確かにその通りで、丁度自然科学がギリシャ地方から西アジア方面に伝播していったような感じになっておりますので訂正します。ただ、仏教は自然科学ほど世界的にポピュラーじゃないけど。
ただし、自然科学の諸発見のおかげでこれだけ衣食住が足り、これだけ情報網が発達しても、人類はちっとも「幸福」になっていないというのが、何とも皮肉めいていて面白いところ。
さらにいうと、「人類の幸福」といえば、『サピエンス全史』下巻の19章において「人類が幸せになるには仏教や瞑想とかがキーになるかも」なんて書かれているのが、非常に面白いじゃございませんか。(↓なんかTwitterで教えていただいた動画。19章と大体同じ内容)
『サピエンス全史』の著者の考えが全てじゃないかもだし、私は19章しかちゃんと読んでないけど。
この辺で書く気が起きなくなってきたので、今回はここまで。
次回は第三部の内容について適当に書いてまいります。
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