商品の特徴とお客様の利益を繋げる:部署内セミナー③『顧客視点から考えるFAB式アプローチ』#オープン社内報
こんにちは、戸田被服株式会社の新井です。普段はマーケティングや商品企画、WEB販売に関する業務を色々やっています。
さて本日は前回に引き続き部署内セミナーの事について綴っていきます。
初回には「とにかく特徴を書き出してみよう!」とやってみたんですが、これが思った以上に時間が掛かりました。
1回2時間で終わらせる予定だったのですが、初回に関して言えば3回分要してしまいました。
商品の特徴を書き出してみる
まず後輩たちには自分たちで商品の特徴を書き出してもらいました。
これが大体1時間半ぐらいかかりました。私も一緒に書き出したのですが、少し時間におされた感じがあります。
全部で12品番用意したので、単純計算で1つあたり7分ほどかけて特徴を観察した感じです。
特徴を書き出す時間としては決して長くないし、もう少しとっても良かったので、これは私の完全なる配分ミスです。12品番は多かったです。
特徴を書き出したら、次に利点、それがある事での利益を書き出していく作業をしました。こちらも大体1時間半ぐらいかかりました。
グループディスカッションで自分の意見をだしてみる
書き出した後はグループディスカッションをしました。
これが2時間半ぐらいかかりました。1品番につき12分ほどです。
最初のうちは後輩たちも緊張しているようで、私が指揮をとりながら意見交換をしました。
「私はこう見たんだけど、みんなはどう?他に何か気づいた事あった?」という風に意見を促すと「〇〇が××だと思った」と意見が出るようになりました。
とはいえ私が「ん?どういうこと?」と聞き返すと「あ・・・。」みたいに言葉を濁す場面が何度かあったので「意見が違うと言いたいんじゃなくて、どんな意見なのか知りたいだけだよ」と伝えながらのグループディスカッションになりました。
先輩から「それってどういうこと?」って言われると間違ってると感じますよね。わかります。
なので自分の意見に自信を持って、臆せずどんどん発表してもらうように促しました。
所詮私の意見も1の意見でしかありません。
『誰が言ったか』ではなく『どんなことを言ってるか』が大事なんですよね。
そんな風に意見交換をしながら段々いつもの和やかな空気になってきました。
「あ、それ絶対お客さんに伝えた方がいいよね」とか
「あ~、そっち側の考えはなかった~」とか
「これ絶対そう見えるよね・・・」等々。
そんな風にみんなと話していくうちに、自分が持っていなかった視点などに気づくことができまして、これは今後も継続してしっかりやるべきだと強く感じています。
ペルソナ像を考える
次にペルソナ像を書いてもらいました。これは2時間ぐらいですね。
ペルソナ像を書くにあたりどう考えるべきかを伝え、思い付く限り沢山書いてもらう事にしました。
ペルソナ像は大事です。
誰に売りたいのかが無いまま、伝えたいことを考えていっても伝わらなくて当然です。
がんばって作って売れないという結果が待っているだけで、徒労感だけが残ります。折角頑張っても売れなかったとなりやる気がどんどん削がれていきますよね。
それはやったことが間違いだったわけでは無くて、伝える相手が見えてなかったってだけなので、努力を無駄にしない為にもペルソナ像は大事です。
そういった点からも、誰に何を伝え、どうして欲しいのかどうなって欲しいのか、これは絶対にブレてはいけない部分です。
そしてその伝えるべき誰かは、私たちの商品を愛して下さるお客様他ならないから、既存のお客様像からしっかり考えて伝えるべきなんです。
私が思うペルソナ像が大事な理由
多分みんなもそうだと思うんですが、私お客様大好きなんですよ。
日々頂いた商品レビューやショップレビューを確認する度に、自分が売ったものでその人の生活が少し楽になってたことを知れることがあるんです。
この人に届いたらいいなと考えて作ったものが、その人に届き、使われている状況や買われた背景を考えると、そのレビュー等から満たされる想いがあったりします。
例えばそうですね・・・
3年前にマスク不足から弊社もマスクを作る事にしたんです。
企画したのは私でして、普段ズボンやスカートしか作っていないので色んな事を調べて対応して、やっと販売に踏み切れたんです。
そんなマスク販売開始直後に、電話で注文くださったお客様が居られたんです。
マスクを買いたいというお客様で1枚だけだったので、私はネットで注文なさった方がお得であることをお伝えしました。
電話注文だと代引決済限定になってしまう為に宅配送料と代引手数料を頂かないといけないので、マスク1枚の値段分の送料が追加で加算されてしまうので非常に勿体ないと思ったんです。
ネットでの注文だと、決済をコンビニ払いやクレジットカード決済にして頂くことが可能で、さらに決済が済んでいるのでポスト投函対応で送料も無料になるんですね。
なのでお客様にネットで注文をお勧めしたのですが、お客様がじつはね・・・とお話して下さったんです。
「ネットで買ってみたいんだけど、スマホの注文がよく判らないし、間違えたら何かあると思って怖いのよね」
うちの母もそうだな・・・私も最初はそんな風に感じてたし、なるほど等と思った私は「今私と一緒に注文してみませんか?」とお声をかけてみました。
お客様と一緒に私も自分のスマートフォンを操作することにしました。
こうすることでお客様が今ご覧になっている画面を確認できるので、お客様が不安に思われる部分が判ります。
「ごめんなさいね」とお客様は私に気を遣ってくださりながら、一緒に注文操作をしていくこと30分。無事に決済が完了しました。
「注文完了しましたって画面に出たわ!」と仰るお客様に「今注文情報が弊社にも届きましたよ!」と私。
お客様のお困りごとを一緒に解決することが出来て、とても達成感があり、お客様と二人でスマホでマスクが買えた喜びを共有出来た時間でした。
その後はご自身でも注文なさったみたいで「私1人で注文出来ました」と備考欄に書かれていて、あぁ良かったなぁとしみじみ感じられる出来事でした。
『顧客目線とは何か』を強く意識し始める切っ掛けは、もしかしたらこの出来事だったかもしれません。
確かに利益で言えばマスクなので少額ではありますが、お客様の満足度で言えばどうでしょうか。私はいまだにあのお客様の事を覚えていますし、顧客目線を考える時に必ずこのお客様の事を思い出します。
私が商品を紹介する時に軸にしているものが「お客様の困りごとを解決する」なのは、この経験が大きく後押ししている事もあると思います。
顧客目線を考える上でペルソナ像は欠かせません。
クロージングが弱くなる理由はここなので、いくら商品の特徴や利点や利益が判っても、ペルソナ像を欠いての販売戦略はあり得ません。
お客様がどこで買うのを躊躇しているのか、そもそもお客様にその商品がささっているのか、お客様があって初めて成り立ちますよね。
そんな感じの事を伝えながら、自分たちが考えているそれぞれのペルソナ像を書いてもらいました。
次は来週の水曜日に開催予定です。
今度は座学ですね。FABとペルソナ像について学びながら、自分たちが書いたものを見直していきます。
今度はスライドを作って伝えようと思います。
口頭で説明してホワイトボードに私が書いていくより、スライドで説明する方が後輩たちは判るみたいです。
また次回開催ぐらいに続きのお話しようと思います。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。
2023年6月16日 戸田被服株式会社 新井美晴
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広島県福山市北部の小さな会社で地道にズボンを売っている会社です。記事はWeb販売管理部の新井・中田・粟根が書いております。 少しでも弊社の事をお近くに感じて頂けたら幸いです。