見出し画像

故郷で子ども向けのイラストワークショップをしてきました

生まれ育った東京の下町・荒川区。就職と共に職場近くに引っ越したが、その後ふたたび地元に帰り、フリーランスwebデザイナー・イラストレーター・大家という奇妙な肩書きで働くようになった。街のお店から依頼をいただいてデザインの仕事をしたり、大家の仕事の一環で街歩きを開催してみたり。

色々活動していたら、なんと荒川区から「子ども向けのワークショップをやってみませんか」とご依頼いただいた。生まれ育った街からお話をいただけるなんて、こんなありがたいことはない!ということで、人見知りなりになけなしの社交性を両手に握りしめながら挑戦した、ワークショップの記録を残してみます。

1.原っぱに巨大な絵を飾ろう!お絵描きワークショップ

尾久の原公園という、荒川区が誇る巨大な原っぱがある。「原っぱ」って、なかなか言う機会もないし、出会う機会もない。けど、尾久の原公園はまごうことなき原っぱ。江戸時代からお花見の名所だったという、原っぱ。地元の人たちが貴重な生態系の残る原っぱを残そうと尽力されてきた結果、今も生きている、現役原っぱである。

たくさんのシダレザクラが植えられており、春には圧巻の桃源郷のような風景が広がる。その季節に開催されるのが、『シダレザクラ祭り』。街の飲食店が出店し、ワークショップや楽器演奏などの出し物もおこなわれる中、シダレザクラを鑑賞できるお祭り。春の浮かれたくなる空気を詰め込んだような空間で、私も大好きな催し。むかしから必ず行っていた。
ここでワークショップをやってみませんか、というお誘いをいただいた訳です。

目標:誰でも楽しめて、達成感を得られる!

どんなワークショップにしようか…と思案し決めた目標が「お絵描きが苦手な方も小さなお子さんも楽しめて、少しでも達成感を得られるワークショップ」になること。
そのため
・描く絵の内容に困らないガイド付きのお絵描き台紙を使用
・貼ること自体も楽しめるシール形式
・普段描けないような大きな絵が完成する
内容にした。

3メートルの巨大キャンバスを制作!

横3メートル、高さ1.4メートルほどのキャンバスを用意!(知人が制作してくれた。感謝!)
背景のイラストは、私が荒川区とシダレザクラをモチーフに描いた。ここに、参加者さんたちがお絵描きをしたシールを貼っていってもらう。

↑制作したガイド付きお絵描き用紙。シールになっている。お子さんが楽しく描けるモチーフ(犬や猫などの動物、花、車、アイドルや子どもなどの人物)を選定してイラスト制作してみた。お絵描きが苦手な人も、色を塗ったり顔を書き込むだけで絵が完成する塗り絵方式。

↑分かりやすいように説明書も作ってみた。

入場開始と共に続々と親子連れの皆さんが来てくれて、用意していた描くスペースはすぐ満席に。

広い会場の中、ここ目がけて一直線に来てくれた子どもたち。「告知を見て何日も前から楽しみにしていたんです!」と言っていただけて嬉しかった。手探りながらも一生懸命準備してきてよかった〜!

描いた絵はシールになっているのでぺたぺた貼っていってもらう。やはり子どもたちはシールを貼る行為が楽しかったようで、「シールを剥がした台紙でもいいから持って帰りたい!」と次々に声をかけられた。
記念撮影スポットと化し、写真を撮りにくる人たちも多数いた。

完成!

当日は想像以上の盛況っぷりで、開始2時間せずにお絵描き用紙の品切れとなってしまった。みなさん一生懸命、思い思いの絵を描いてくれて、賑やかで楽しい絵が完成した。

完成品は荒川区役所の目の前にある公園にて展示された

担当の方が、「せっかくの完成品だから長く楽しめるように」と区役所の目の前にある公園で展示してくださった。あったかい心遣いに感謝しきりです。

2.自分だけのキャラクターを作ろう!ワークショップ

尾久の原公園でのワークショップからしばらくして、荒川区の別の部署の方からご連絡をいただいた。「エコジュニアクラブ」という有志の小学生30人ほどが集まる課外活動で、デザインの授業をしてみませんか?とのお誘い。

これまで授業をしたのは女子美術大学と日野市の中学校のみ。小学生向けは初めてで、ワクワクしつつも少しドキドキしながら挑戦することに。

目標:「デザイン」を身近に感じ、達成感のある制作を!

小学生にとって「デザイン」は、あまり実践したことがないもの。そこで、「身近なものをデザインする体験をしてもらおう!」と考え、今回の課題は 「1人1体、エコジュニアクラブのキャラクターをデザインする!」 に決定。

課題達成までのストーリーをつくる

より楽しく取り組めるよう、課題達成までのストーリー(と言ったら大袈裟だけど)を設定。
まず私が「エコ博士」というキャラクターを制作し、「エコ博士と一緒に、エコジュニアクラブを宣伝する仲間を作ろう!」という流れに。
そして、最後に全員のキャラクターを並べ、「エコジュニアクラブの宣伝部隊が大集合!」の状態で記念撮影をすることにした。

キャラクターデザインの基礎知識もレクチャー

手を動かす前に、身の回りのキャラクターについて考える時間を設けた。日本や世界で愛されるキャラクターの個性やデザインを簡単に解説。

キャラクターデザインをするあたって、キャラクターの個性を考えていく作業も大事。みんなでエコジュニアクラブで体験したことを振りかえりながら、そこで出会ったものやことをキャラクターに反映させてみたり。

デザインの基礎である、「色や形が人に与える印象」についても、伝えてみた。丸いキャラクターは優しい性格なことが多い、色には印象があって、そこから性格が伝わることもあるなどなど。みんな描きながら「この子は足が速いから黄色にしよう!」などと言っていて、伝えたことをすぐ実践していく姿に感動した。

子どもたちの様子は撮影できなかったのだけど、全員の取り組む様子や完成品は目に焼き付けてきた。
子どもたちが自由な発想でキャラクターを生み出し、それぞれの個性が光る作品がたくさん誕生した。みんなが真剣にペンを動かしながら、「こんなキャラにしたい!」「こういう名前にしよう!」と楽しそうに考える姿がとても印象的だった。そして、こんなアイディアがあるのか!と刺激を受けた。

「デザイン、イラストって楽しい!」と感じてもらえたら嬉しい。そんな経験が、いつか何かを作るきっかけになったらいいな、なんて思いつつ。

↑私がキャラクターデザインをさせていただいた「ぺんたと小春」。荒川区の担当の方が教室に飾ってくださって嬉しかった。ぺんたと小春の本を読んだことのある子どもたちもいて、感無量!


私は地元が「自分がおばあちゃんになった時も楽しい街」であってほしいな、と思いながら仕事をしている。自分の生活範囲がとにかく楽しく、人も場所も居心地のいい空気であってほしい。今回のワークショップで出会えた子どもたちが大人になっても「何か作りたい」「面白いことをやりたい」と思える環境が続いていくように。そんな未来を思い描きながら、これからも私なりに活動していこう、とパワーをもらえたワークショップでした。


お声がけくださった荒川区の担当者さま、ご協力・ご参加くださったみなさま、本当にありがとうございました!

===========

東京の下町・荒川区で大家とデザイナーをしています。

X→https://twitter.com/530E
👴築40年超えのおっちゃん物件・トダビューハイツ→https://todaviewheights.com
🏡屋上シェア菜園&喫茶店つき賃貸・ロジハイツ→https://souzou-kenchiku.com

いいなと思ったら応援しよう!

戸田江美@デザイナー大家
いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!

この記事が参加している募集