【難病のこと】エーラス・ダンロス症候群① 概要と現時点での症状
私は指定難病168、エーラス・ダンロス症候群(以下EDS)と診断されています。
EDSは国際分類で13病型に分類されていますが、私はその中の関節(過可動)型というものです。
そもそもEDSとは何か
EDSとは、皮膚、関節の過伸展性、各種組織の脆弱性(もろさ)を特徴とする遺伝性の結合組織疾患です。
*結合組織…全身の組織と組織を繋ぎ、身体を支持する組織のこと。骨、筋肉、腱、靱帯、血液などを指す。
すべての病型を合わせると1/5,000人はいるだろうと考えられていますが、詳細はわかっていません。
始めに記しましたが、国際分類・命名法では、13の病型(古典型、類古典型、心臓弁型、血管型、関節(過可動)型、多発関節弛緩型、皮膚脆弱型、後側彎型、脆弱角膜症候群、脊椎異形成型、筋拘縮型、ミオパチー型、歯周型)に分類されており、古典型、血管型、関節(過可動)型が代表的な病型と言われています。
関節(過可動)型は、常染色体顕性遺伝(優性遺伝)なのですが、原因遺伝子が現時点でわかっていません。
疾患頻度は5000〜20000人に1人と、EDSの中では最も高頻度です。
症状は、関節の過伸展性が中心(脱臼・亜脱臼)ですが、慢性難治性疼痛、機能性腸疾患(便秘や下痢を繰り返す)、自律神経異常(立ちくらみ、動悸など)など多彩な症状が見られると言われています。
一口に症状を説明することはできず、症状の幅が広く人それぞれ個人差が大きいと言われています。
現時点での症状
私が現時点で自覚している症状は以下の通りです。
◾️関節
・至る所の関節の慢性疼痛
特に肘、膝、手首、足首は痛くなりやすく場所が移動します。常にどこかしらが痛いです。
特に無理をしたり、疲れたり、体が冷えたりすると痛みが増します。
痛みの感じは鈍痛から成長痛のようなジンジンズキズキした痛みまで幅がある印象です。
・手首の急性疼痛
至る関節が緩く、とくに右手はよく使うため最も緩みが強い場所だと思います。
手を振っただけ、手をついただけで亜脱臼と思われますがズレてしまい痛みになったり…
普段右手首は軟性装具をつけています。本当に思いがけない咄嗟な感じでズレてしまうので…
・肘と膝のズレ
肘、膝も関節可動域が広いため、咄嗟に力が掛かると痛みとズレにつながります。
特に膝は皿がズレる感じ最近強いです。
肘は市販のサポーター、膝は長距離歩く時や負担がかかる時は軟性装具で仕事程度は市販の簡易的な装具を使っています。
・右足首の内反(内返し)
歩いていると突如足首が内反してしまうことがあります。
柔らかいせいか捻挫にもなったことはないのですが…
右足首も市販のサポーターをつけています。
そのほかの関節も負荷のかかり具合によって痛みが生じることがあります。
このほかにも足は筋膜炎のような状態にもなりやすいです。
◾️アレルギー
幼い頃から鼻炎ではあったのですが、大人になって調べて杉、ハウスダスト、猫(飼い猫いるのですが…せつない)をメインにアレルギー持ちです。
そのほかに食べ物にもアレルギーがあるらしく、しかも牛乳、牛肉、豚肉がヒットしています。
食べ物のほうは体調が悪くなければ食べられますし症状もないのですが、体調がすぐれない時はお腹を敵面に壊します。
それから漢方で全身に蕁麻疹がでたこともあり、皮膚も結構弱いです。
肌はどちらかというと疾患の影響でか白い方だと思うので、結構日光とかにも弱いですし、痒くなりがちです。
◾️口など
・顎関節症
いつの頃からか、多分小学生の頃にはすでにだと思うのですが顎関節症です。
左の顎の関節がずれているというか、亜脱臼なのか脱臼なのかしています。
・歯列不合
つまり歯並びが悪いということです。
これもEDSの特徴の一つなのですが、私も例の通りにガタガタです。
・口腔粘膜が弱い?
口の中の粘膜が弱いのか、よく口内炎になります。
そして歯磨きをする、りんごを食べると言う動作で簡単に出血します。
幼いころは歯磨きをちゃんとしているのにも関わらず、歯肉炎と歯科検診で言われ続けてきました。
◾️消化器
・お腹が弱い
幼い頃から下痢気味で、ちょっとしたことでお腹を壊してしまうことが多いです。
アイスを食べるとか、お腹が冷えたとか、牛乳飲むとか…それだけでダメなことも。
お腹が張ってしまうことも多く、胃痛になることもあります。
今は市販薬の整腸剤や胃薬でコントロールできるレベルです。
・謎の右季肋部と背部痛
最初痛みがあった時は胆嚢か腎臓か、それとも十二指腸潰瘍かと思い、エコーもして胃カメラもしました。
しかしどれも異常なし。
結果的にはパソコン等をして筋緊張状態になり疼痛になっているのではないかと言われました。
この痛みがなかなか痛い…。
夜間に痛みが出ることが多く、眠れなくなるため鎮痛剤を飲むことが多いです。
◾️自律神経系
・不整脈
大人になってから自覚することが増えたのですが、一過性の頻脈か脈が結滞(脈が飛ぶ)したりします。
これもいつなるのかわからない感じで、よく起こるのは座ったり横になった時やお酒を飲んだ時、不意な動作をしようとした時、お風呂など…自律神経が絡んでいると思われ、タイミングがうまく掴めません。
今の所は失神するなどの症状にはならずですが。
・起立性頻脈症候群、脳貧血
小学生の頃、朝礼で倒れる人を見ては「体弱いのかな」なんて思っていて、自分がその症状になったことはありませんでした。
大人になり、手術室で勤務していた際、ある得意な手術の器械出し(ガウンを着て清潔操作をする、器具を渡す人)をしていた時に、目の前がチカチカしてきて、そのうち砂嵐様へ。
そうこうしていたら過呼吸のようになってきて、おかしいなぁと思っていたら外回りの看護師が気づいて引きづり下され(もちろん医師には許可を取ってですが)ベッドに連行されました。
初めてこの状態になり、これがあの脳貧血かぁなんて思いましたが、それから何度か手術中に上記状態になることがありました。
そのため、今も長時間同じ場所で立つのは苦手です。
・手足の冷え、レイノー現象様の様子
割と幼い頃から冷え性で末端はガチガチキンキンに冷えてしまいます。
特に指先がひどく、レイノー現象と言っていいのかわからないのですが紫色〜赤色など、結構変化します。
冷えると指先が特にですが、肘から先に痛みが出てしまうので冬は猛烈に辛いです。
そのせいかかなりの寒がりで冬は着込まないとダメですし、夏は冷房で冷えないようにしないとあっという間に冷えて痛くなってしまいます。
新潟に住んでいる身としてはきついです…
・体温調整が苦手
中枢体温が高くなってしまい、37度超えることもザラにあります。
体調が悪かったり疲れたりするとより高くなってしまうので、倦怠感も強くなります。
熱ごもり?なのでしょうか。調整が難しいです。
◾️その他
・頭痛
幼い頃から前兆のあるタイプの片頭痛持ちで、大学生くらいの頃が1番コントロールできず困っていました(家族のこととかストレスによるものも大きかったと思いますが…)。
大人になって片頭痛はたまに生じる程度になりましたが、緊張型と思われる頭痛は日常茶飯事です。
・強度近視
小学生の頃から目が悪く、その頃からメガネをかけています。
視力は右0.07程度、左0.1程度とかなり悪いです。
数年前、字の見えにくさや模様が見えることがあり眼科へいくと、中心性漿液性脈絡網膜症と診断されました。
網膜の一部に水が溜まる疾患のようですが、このような疾患とも粘膜の弱さで因果関係があるのかもしれません。
◾️メンタル
この疾患は発達障害や精神疾患が併発しやすいと言われています。
私自身はどちらも診断されたことがあるわけではないですが、昔から多感で敏感なところがあり、それによって消耗することが多くありました。
幼い頃から家庭は色々とあったので、その部分でも気にしながら生活を送ってきていて空気を読もうとしてしまいがちでした。
過去にはイライラや精神的に落ち着かない時に自傷をしていたこともあります。
そして性的マイノリティ要素もあるため、ずいぶんと周りの人と自分の比較をして過ごしてきました。
30代になり、父のこともあり、仕事の負荷量も下がり今は余白が生まれているのか、昔ほど切迫していたり生き急ぐ感じはなくなったとは思いますが、何かに囚われていたのは事実です。
ざっと今わかる症状はこのようなものでしょうか。
この症状は日によって違いがあり、疲れ度合いとかでも大きく左右されます。
毎日体のどこかしらに不調があり、すっきり調子がいいと言うことがほとんどありません。
ただずっとこの状態で生きてきてしまったので、ある意味体はこれで慣れてしまっています。
体が痛くないということがなく、それが普通になってしまったので、皆が膝とかそういうのは痛くないということを聞いて驚いたり、仕事で身体介助に考慮してもらったら慢性疼痛の程度が軽くなって驚いたり…
不定愁訴のような状態に常に付き合っているような感じですが、常に体にたいしてアンテナを張っているので変化には気づきやすいかもしれません。
この疾患は一応進行性と言われていて、さらに対処療法しか術がありません。
少しずつ少しずつ、症状が増えてきているのがここ最近の気がかりではありますが、ぼちぼちこの体と付き合っていこうと思います。
同じ疾患の人とはなかなか出会えず、情報もないため、誰かの役に立てればと思いますし、同じ疾患で悩む人たちとの結びつきになれればいいなと思っています。
新潟県では、同じ疾患の人、いるのだろうか…笑
孤独ながらも病気と向き合っていくつもりです。