悲しみを温かさでくるんだ本『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(岸田奈美さん)
こんにちは、toco.です。
noteでもおなじみ、岸田奈美さんの著書『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』を読みました。
面白くて、病院の待ち時間で一気読み。
病院の待ち時間が長いのも、たまにはいいかもしれないですね。読書に集中できて😂
ハードモードな人生だけど、ついつい笑っちゃう
ご存知の方も多いかもしれませんが、岸田奈美さん(エッセイスト・作家)は、
中学生の頃にお父さんが他界
高校生の頃に、母・ひろ実さんが病気で一命を取り留めたものの、車いす生活に
おばあちゃんは認知症
弟・良太さんはダウン症で知的障害をもっている
という、人の人生に失礼かもしれないけれど、なかなかのハードモードな方。
私が今まで”苦労した”と思っていたことが霞みさっていくくらい、私より若いのに、濃厚で、ギュッと詰まってる人生を送ってるんですよ。
そんな方が書いたのだから、くすっと笑える本とは思わないじゃないですか。
でもね、
当然、本の中には、ここまでの苦労も書かれているんですが「こんなに大変で頑張ってきたの、感動するでしょう?」といった押しつけがましさがゼロなんです。(それが悪いわけではないけれど)
過去のどんなつらい思い出にも、くすっと笑えるようなエッセンスを付け加えてくれているから(岸田さんが自分自身のためにも)
読み手であるこちらも、あ、笑っていいんだ!と思えるんです。
愛されることを選ぶ家族
noteやtwitterを拝見していると、岸田家の皆さんは、揃いもそろって愛される人だな、なんでなんだろう?とちょっとした疑問があったのですが
この本を読んで、”天性の愛され力”みたいなものも少なからずあるんだろうけれど、それよりも、自分たちで愛される方の道を、選択して生きてこられたんだろうなと思いました。
怒る、悲しむ、憤ることをそのまま表す人生よりも、全てを笑って、協力して、楽しむことに変換することを選択してきた人生。
そんなふうに読んでいて感じました。
色んな人の手をかりて(そうせざるを得なかったんだろうけど)
その分、笑顔とありがとうという言葉で、感謝を返す。
きっと人生って、それで十分なんじゃないかな。
私もその世界の住人でありたい
世の中には色んな人がいる。背負う荷物が大きい人も、少ない人も。
それはそのときどきによって変わることもあるだろうし、逆転することもある。
「ちょっとこの荷物、一緒に持ってくれる?」って言えたり
「あんた一人で持ちすぎやん!」と、おせっかいなおばちゃん如く「かしてみ!」って少し持ってあげたり。
この本を読んで、そういう世界はあるんだ!と知れたし、私もその世界の住人としてありたいなと思えました。
どんな人にオススメかって聞かれたら…とにかくみんなが読んだらいい!
悲しみをまるっと、温かさと笑いのエッセンスでくるんでいる、そんな本です。
個人的には、
「弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった」と、「ミャンマーで、オカンがぬすまれた」の話が特に好きです。
ぜひ読んでみてくださいね。それでは😊
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