誘導瞑想で前世を体験してみた④
前世体験シリーズその④。
これまでと同じく、YouTubeの誘導瞑想の音源(約30分)に従って、布団に仰向けになって体験しました。
前回はこちらです。西洋の盲目の女性で、寄宿舎で寝起きしながらマッサージやセラピーを学んでいた。
以下は今回の体験です。文字に起こすと不条理で後味が良くないので、読む際はお気をつけください。
舞台設定
イメージの中で扉をくぐった後、足に何を履いているか、どんな服を着ているか、今いるのは屋外か屋内か、と順番に尋ねられた。音声に従って周りを確認していく。
彼(そこでの自分)は履き古したスニーカーを履き、半袖のシャツを着ていた。少年から青年にあたる年頃で、シャツから伸びる腕は小麦色をしていた。
具体的な都市名は分からないが、大きな川の岸にバラックが並んでいて、東南アジアのスラム街のような印象を受ける。
家族構成は詳しく覚えていないものの、下にきょうだいが多く、長男か次男のような立ち位置だった。台車やトラックの荷台に金属類を積んで、回収してもらうのを生業にしていた。特に腕っぷしが強いわけではないが、虚弱でもなく、朝から働けばその日の金銭を稼ぐことができた。
ズボンの右ポケットに金属片を入れて持ち歩く習慣があった。先が鋭くて刃のように薄く、手のひらに収まるサイズだったので、治安の悪い場所を通るときは、右手の中に握って歩いていた。
手持ち無沙汰になると、シャツの裾や布切れで表面を拭って、そこに映った自分の顔や周りの風景を眺めることがあった。お守りと玩具を兼ねた使い方をしていた。
お姉さんと自動車
誘導瞑想の音声から「大切に思う人はいるか」と尋ねられた。
意識を向けてみると、数歳上の女性をかつて慕っていたことを思い出した。血の繋がりはないものの、幼い頃から時折接点があり、姉のような存在だった。
その人はしばらく関わらない間に街娼になっていた。それを知ったときに不満がないといえば嘘になる。なんでだよ、と思ったが、生活のためだから仕方がないとも思った。
客になって会いに行こうかとも思ったが、客として彼女を買うのは気が引けたし、金は他のことに使ったほうが良い。
いつか自分の車を手に入れて、運転してどこかに行きたいと思っていたが、車の買い方やライセンスの取り方を知らないままだった。
具体的な夢や計画はなく、かといって悲嘆に暮れることもなく、働いたり眠ったり、シャツをバケツで洗ってロープに引っ掛けて干したりしていた。
最後に見た風景
彼はある日、一人で歩いているときに、数人の手で人目のない場所へ引きずり込まれて、暴力を受けて命を落とした。個人的な恨みを買っていたのか、場当たり的なものだったのかは分からない。
死体は川に投げ込まれ、彼はこの世から姿を消した。スラム街の住人が失踪するのは時々ある話で、家族はしばらく騒いだかもしれないが、警察が捜しに来ることもなかった。
それから数年経って、川べりのスラム街には重機が入って更地になり、工場や団地が立ち並んだ。誘導瞑想で見たイメージはここで終わる。
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正直すっきりしない体験だった。
誘導瞑想で得られるイメージは、読み手を意識して編集した物語とは違っていて、いつも明確な結末や学びが得られるとも限らない……のだが。現実世界のどこかで似たようなことが起きてきた・今も起きているのでは、と考えるきっかけになった。
今の自分は、彼と比べると平和に暮らしていて、選択肢が多くて自由に動くことができる。平和や恵みというのは「平時の選択肢の多さ」を指すのかもしれない。
せっかく選べるのだから、選択する権利が自分の手にあることを自覚しつつ、自分や身近な人にとってより良いほうを選んでいきたい、と漠然と考えてこの記事を終える。