「鳶」を考える
ニュースサイトで話題になっているこの記事について。
もちろん、鳶の嫁として見過ごすことはできないので、考えてみました。
最新の有効求人倍率をみてみた
このランキングでは、「土木・建設作業員」が最も底辺職とされていたのですが、底辺という言葉はどうあれ、まぁ言わんとしてることはわかります。
実際、有効求人倍率を見ても、「土木・建設作業員」の職業が上位を占めているので、人手不足感が高い仕事であることは間違いありません。
鳶職は、建設躯体工事に含まれます。
有効求人倍率「9.57倍」というのは、1人の求職者を約10社が取り合っているということ。
つまり、募集に比べて、なり手が圧倒的に少なく、人気がない職業であるということです。
ちなみに、コロナ禍前は有効求人倍率21倍超だったので、随分採用しやすい状況になっています。
実際、今年に入ってから若手社員が7人も採用できているのは、このデータを見ても、
「うちの求人の書き方を劇的に変えたから。」
だけが理由ではなさそう。
底辺職の定義をみてみた
「底辺の職業ランキング」によると、底辺職の特徴として、
が挙げられていたようですが、
(1)肉体労働である はたしかに抗えないとして、あとの2つは鳶職にはあてはまらない。
図面通りに足場を組むには、頭も体力もいるし、同じ現場は2つとしてないから、同じことの繰り返しにはなりえないし。
というか、(2)(3)にあてはまる仕事って世の中にあるのかな。
もし、あるとすれば、働く側(と会社)のありよう次第ではないかと思うのです。
実を言うと、過去自ら「底辺」だと言っていた
結婚当初、夫がよく「鳶は最下層の仕事」と言っていました。
「鳶みたいなしんどくて、しょうもない仕事、誰もなりたがらない」と。
好きな人が自分の仕事を誇れないのは悲しい。
ましてや、そんなことを会社のトップが言う会社で社員は頑張れない。
だから、「鳶はかっこいい仕事」と胸張って語れる夫にさせたいと思っていました。
実際、高所で作業する姿はかっこいいし、どんな服よりも白の超超超ロング(ニッカポッカ)が一番似合ってたし。
いつか、彼の納棺の際は、上下純白の鳶装束で最期を見送るつもり。
「カッコいい」と可視化するためにやってみた
その当時、「ゲンバ男子」という中小製造業の現場でかっこよく活躍する若手人材の写真を掲載したフリーペーパーがあり、それをパクりました。
プロカメラマンによる現場での撮影
ホームページの作成
Instagram、facebookへの掲載
まるで乗り気でなかった夫や社員らも写真の仕上がりとSNSでの反応でテンション上々。
ホームページや投稿を見た取引先からの反応で、WEBによる発信の意識が拍車が掛かり、
「映えるブランディング」を糸口として、
IoT活用の業務改善
社内イベントの充実
資格取得支援の導入
をしているうちに、結果、働き方改革や職場環境改善につながりました。
BBQの時、新婦へのサプライズで40センチ四方のウエディングケーキとウェディングドレスを用意したのも懐かしい思い出。
「鳶っぽくないことやろう。」
と、7年かけてやってきたことで既存の社員らの満足度と若手の採用の成果が出てるのだろうと思っています。
何より、夫が鳶を誇れるようになった。
鳶の嫁としては、これが一番嬉しかったりします。
結論 職業じゃなくて仕事との向き合い方
ついでに先述のランキングのデメリットもみてみます。
先ほどと同様に、(3)体力を消耗する を払しょくするのは難しいかもしれません。
が、建設業もDX化によって省力化を進めているし、アナログなところでいくと、資材の軽量化や空調服の活用など、作業環境は各段によくなっています。
(1)平均年収が低い のを企業と個人が変わる努力をしていくことで解消し、(2)結婚の時に苦労する のも回避できるんじゃないかな。
というか、結婚の苦労ってなんだ?
金銭的なことだけでもないだろうけど。
ちなみに、今年入社の若手社員は、弊社に入社後すぐに入籍しましたよ。
だから、再来週のBBQでは、5年ぶり2度目のサプライズウェディングやります。
congratulations!!
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