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セットアッパー目指して 岡留英貴【3/19 対ホークス戦○】
2022年の夏に会社の都合で福岡に転勤してから1年半以上。やっと開催されたPayPayドームでのタイガース戦。待ちに待った試合を球場で観戦し、終わった頃には体が少し汗ばんでいた。両チーム合わせて31安打の乱打戦、しかも最後の最後まで勝敗が分からない熱戦を目の前で見せられては、たとえオープン戦といえども気持ちが昂ぶってしまう。
帰り道でスポナビのアプリを開いて今日のスコアを確認した。これだけ打ち合った結果、両チームの投手でヒットを許さなかったピッチャーは1人しかいなかった。
三者凡退に抑えたピッチャーは岡留英貴だけ。
しかも岡留が登板したのは、2点のリードを奪った直後の8回裏。
いわゆるセットアッパーと呼ばれる立場の投手が投げる場面で岡留が三者凡退に抑えた。
こんなの、嬉しくないはずがない。
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クローザーとセットアッパーは似ているようで違う。プレッシャーや背負っているものの重さはクローザーが上だけれど、要求される内容の難しさは実はセットアッパーのほうが上なんじゃないかと、僕は思う。
もしセットアッパーが打ち込まれて、3点差が1点差になったとしたら。その後に投げるクローザーにかかる重圧がより重くなる。
反対にセットアッパーが相手打線の流れを一気に断ち切ることができたら、試合の主導権は一気に味方に傾く。ランナーを出さずにテンポ良く抑えられたら、直後の攻撃に向けて良い雰囲気を作ることもできる。クローザー以上に投球の出来が試合の流れを左右するのがセットアッパーというポジションなのだ。
今日は先発したタイガース・村上頌樹も、ホークス・和田毅も打ち込まれた。共に失点した。両チームヒットがどんどん出て、試合の主導権がコロコロ移り変わった。シーズン中にこんな試合があったら「流れが掴みづらい試合」と表現されていることだろう。
だからこそ、こんな展開の試合で岡留が自分の力を遺憾なく発揮したことがとても嬉しい。
A.ウォーカーと牧原大成を連続で打ち取り、2アウト。
球場はホークスが代打を起用することのアナウンス。PayPayドームに反響した登場曲と大きな歓声で、中村晃が出てきたことはすぐに分かった。
岡留は中村晃に対して慎重に攻めたのか、カウントは3ボール0ストライクに。だがここから高めの直球で見逃しとファウルを奪いフルカウントに持ち込んだ。ラストボールは内角高め。完全に詰まらせて、ライトフライに打ち取った。球界屈指の好打者を、力でねじ伏せた。
3アウト目を奪って、岡留がベンチに戻ろうとしたときだ。その足取りを止めて、守っている選手の戻りを待っている。牧原大のセカンドゴロを捌いた中野拓夢を最前列で出迎える。続いて中村晃のライトフライを捕球した前川右京にもグラブで優しくタッチを交わした。
そして、振り返りながらグラウンドに他のタイガースの選手がいないことを確かめて、最後にベンチに戻った。
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優しく気配りができるセットアッパー。最高じゃないか。