勘に頼る定性評価から具体的な行動評価へ
こんにちは!株式会社Tobe-Ruの戸澤です。
当社サービスを導入いただく法人様の動機や組織課題で特に多いのは
「頑張りを可視化したい」
「勘に頼っている定性評価をやめたい」
「誰からみても公平な評価体制を構築したい」
というご要望です。
ということで、今回の記事では「勘に頼る定性評価から具体的な行動評価へ」という題目でお送りさせていただきます。
▼頑張りを応援するはずの定性評価が逆効果に…
評価制度を導入している法人は多いかと思います。
業績評価や予算の実績対比、KPI対比など定量的に明確に達成率が分かりやすいものは公平かつ適正さが担保できているので問題はそこまで起こらないわけですが、問題なのは定性評価。
定性評価は結果が出る前段階でのプロセスや法人内の行動指針に沿った動きができているかどうかを判断するために入れているケースが多いです。
なのでどうしても抽象度の高い評価基準になります。
例を出すと
・当社ミッション・バリューを理解できている
・ポジティブに働くことができている
・周りの立場に立ち、常に考え、チームワークを意識した上で働けている
…
などという評価基準を1年に1~2回、本人評価→上長評価→管理者評価という流れで運営しているケースです。
定性評価でも明確に基準が決まっている場合はいいのです。
「当社ミッション・バリューを理解できている」という評価項目でも、例えば理念理解度テストがあり、そのテストのスコアが反映されるなど、本人からみても、上長からみても一致するのであれば特に問題ありません。
問題なのは
本人からすると70点、上長からすると50点。
100歩譲って認識の誤差があったとしても、その20点の誤差の根拠を明確に説明でき、社員に納得させることができるのであればまだいい方です。
しかし、残念ながら、社員に納得させられるだけの根拠を明確に伝えられている法人様は少ないようです。
私からよくこのような悩みを抱えられている人に
「では、どうやっていつも評価しているのですか?」
と聞くと
「ほぼ勘でやっています。。。一か八か…」
とテンションが下がらないことを祈りながらフィードバックしているようです。
こりゃ大変です。。。
本来は、会社のベクトルに沿った行動ができている人を評価しようという主旨で取り組んでいるはずの定性評価が、やる気を喪失してしまうなど、逆効果になり得るわけですね。
▼曖昧な定性評価はなぜダメなのか!?
定性評価が不公平になったり、不適正になったり、社員に納得させることができなかったりする要因は主に以下の特性によるものです。
①ハロー(後光)評価…1つの良い(悪い)事象につられて様々な評価項目が引っ張られてしまうこと
例)Aさんは業績優秀!だから全体的に評価を高くしてあげよう
②中心化傾向・極端化傾向…よくわからないときや本人にフィードバックするときを想定して当たり障りのない真ん中をつけてしまうこと(日本人によくありがち)
例)Aさんのことよく知らないな…とりあえず真ん中あたりにまとめるか
③期末評価…評価期間の直近に行動した内容のインパクトに引っ張られ、評価期間から遠い時期の行動を見落とすこと
例)Aさんは11月〇〇プロジェクトを実直に遂行してくれた!だから全部評点を高くしよう
④寛大化傾向・厳格化傾向…②と似ていますが、社員のことを考えて甘く評価したり、反対に若手だからなどといった理由だけで全体的に厳格にしたりすること
例)Aさんにフィードバックするとき、評価を下げるとテンション下がるだろうな…このくらいにしておくか…
⑤論理誤差…1つの事実から関連づけて評価し、ロジックが破綻すること
例)学歴がAさんは高い、基本的にはこのあたりの評価項目は押さえているのであろう…
このような5つの原因は、評価をしたことのある人であれば、思い当たる節は数回はあるのではないでしょうか。
行動で評価するはずのものが気づいたら感覚や印象での評価になっていたり、好き嫌いが出てしまったり、評価期間から遠い行動を忘れてしまったりと、不公平感満載の評価となり、これはよくありません。
そもそも、前述の例でも出した
・ポジティブに働くことができている
という評価項目を半年、1年単位で評価できるはずもないのです。
ただ、このような定性評価シートは、評価制度セミナーなどの特典で出回っております。
1件の大型医療機関に
戸澤:「まだこのような定性評価シートを使っているのですね…」
と聞いたら理事長から
理事長:「10年前に戸澤(僕)さんからもらったフォーマットをそのまま今でも使っているよ…(笑)」
と回答。
戸澤:「…(気まずい)」
というやり取りが最近ありました笑
確かに過去コンサルタント自体で10年ほど前は私自身もこのような曖昧な評価制度を提案していた時期もあります。
明らかに時代に合わない…反省です。
▼だったら評価なんてしないほうがよいのでは???は論外!!
「だったら評価なんてしないほうがよいのでは???」
このようなことを仰る経営者の方もいます。
勿論、全員が定量的評価だけで完結できるのであれば、評価は当然要りますが、それ以外の評価は排除した方がよいでしょう。
しかし、当社サービスをよく使っていただいている医療業界や製造業界などは定量化できない部分も多々あります。というかほぼ個人レベルでの定量的実績を図ることができません。
評価がない=最低限度の仕事だけやってくれたらいい
ということになりますので、社員育成には評価制度は大切です。
▼行動を正しく日常的に評価する仕組みへ
当社サービスHirame-kuは、アウトプットした行動やアウトプットした提案1つ1つに対してフィードバックをしていく仕組みであり、評価項目にアウトプット内容が該当するかどうかだけで評価し、スコアが蓄積されていきます。
このように印象0、曖昧さ0の公平かつ適正な評価ができます。
今、導入いただいている方は、既存の定性評価をなくし、分かりやすい形にシフトしようとしております。
また社員様に聞いても「分かりやすさ」が成長意欲が湧くというご意見もいただいております。
▼本記事のまとめ~評価は期待する成長そのもの~
評価は社員に期待する成長軸、そのものです。
なので大切なことは、会社のベクトルに沿った成長の軌跡が評価に詰まっているかどうかです。
周りの法人で使っているから
セミナーに参加したらフォーマットをもらったから
という軽いノリでフォーマットを少し変更して社内に落とす…
ようなことだけは避け、自社の組織ビジョンに沿った形で評価制度を整えていただけたらと思います。
そして、勘に頼った定性評価を排除し、誰がみてもわかりやすく、公平性が担保されることを意識しながら「成長したい」と思えるだけの環境を整えていかれてくださいませ!