「門松」の話するけど、聞く?
1月は早くも終盤戦に突入、"どんど焼き"も終わり、お正月も片付いた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
片付けた後に引っ張り出して来て申しわけ無いのですが、「門松」の話をしてもよいですか?
......聞いてくれるからこの記事を開いてくださったんですよね。ありがとう。
話題「門松」
正月飾りでよく見る「門松(かどまつ)」。
実物はともかく、存在を知らない方はまぁおられないでしょう。
こちらですよね。
トバリさんは門松を見る度に感じるわけですよ。
「門松って言う割には、竹の主張強くない?」
竹にセンターの座奪われてもうてるやん。
門竹に改名した方がしっくりくるやん。
あ、松が角っこに追いやられてるから角松、が転じて「門松」ってこと?
あんなに竹成分の強めな飾りを「門松」と呼ぶ理由、アナタはご存知だろうか?
何故「門松」という名称なのか
結論から述べると
"もともとは松のみを飾るものだった"
「松飾り」ともいうだけあり、始まりは平安時代頃で、"正月に松の枝を家の門に飾る"という風習が中国より伝わったとされている。
冬でも葉を落とすことなく青々としていることから、生命力の象徴であった松。
こずえに神様が宿ると考えられ、「祀る」や「神を待つ」が語源となったのではないか?という説もある程だ。
同じくして、竹。
こちらも年中枯れることなく、真っ直ぐ成長してゆく様から、神聖な木であると信じられてきた。
そんな松と竹、鎌倉時代辺りに
「神聖なものどうし、一緒に飾っちまおうぜ!」
ってことで夢のコラボを果たしました。
そうして、今の門松の形が生まれたのである。
......こういった文化や行事ごとなどは意外と
「昔っからずっと変わらぬ伝統を一本道で貫いてます。自分、頑固ですから。」
っていうよりは、時の流れと共に色んな要素がMIXされて、現在の形式に至っていることは良くあるわけですよ。面白いですねー。
それこそ「竹を割ったよう」に真っ直ぐ、とは限らぬのです。
古の人々がそうして来た様に、我々の生活もどんどんと他からリスペクトを受け、変化させていってよいのでしょう。
門松から学ばされますね。
話を戻しますが、まとめると
「平安時代頃は家の門に松のみを飾っていた。」=門松の始まり
「鎌倉あたりで松と竹を一緒に飾る風習が生まれた。」=現在の門松
ということになります。
因みに、門松=松と竹のセットが当たり前というわけではなく。
「松ってなんか〜、「待つ」を連想しちゃってぇ〜、あんま好きくないんだよねぇ〜。」
「うち、水害で倒れてきた松の木に社が潰されたので。松は嫌いです。」
そんなこんなな理由から、一部地域では松を忌む慣習もあるのだとか。
そういった場所では松を抜いた「松なし門松」を飾る。
なんなら杉や榊などの他の木を飾っちゃう。
......おいぃぃ!マジで松がいなくなってんじゃねぇかよぉ!
これは言うべきだろ、言いたい!
是非言わせてくれ!
本 松 転 倒 。
竹の形も様々な「門松」
先に述べた様に、地域によっても門松の在り方は多種多様。
関西では松と竹の他、たもとに葉牡丹を添えるものが主流であるなど。
そんな中でも今回は「門松の竹の切り方」の違いについて紹介させていただこう。(ややこしいな...。)
「え?竹の切り方って違いあるの?」
そう思う方もおられよう。
人によるでしょうが、トバリさん的に「門松」と聞いて思い浮かぶ竹の形は、やっぱりこれ。
斜め切り。
厳密には「そぎ」と呼ぶ。
「はぁ?トバリよお前何言ってんだ。門松っつったらやっぱりこっちだろ!」
「寸胴」スタイル。
(画像は共にWikipedia参照)
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%96%80%E6%9D%BE
多くはこの2種類だ。
中には
「門松は寸胴こそ正義!寸胴しか勝たん!」
という人もいるかもしれない。
が。
イラスト素材などで「門松」を調べると出てくるのは圧倒的に斜め切りの「そぎ」スタイル。
イメージとしては「そぎ」が破竹の勢いの如く世間に台頭している。
......派生系に、節にかかる様に斜めに切り込みを入れ、あたかも竹が笑っているかの様な「笑い竹」というものも存在する。
擬人化門松。
んで。
もともとは「寸胴」が主流だったのだが、ある人がキッカケで「そぎ」スタイルが広まることになる。
誰が始めた?「そぎ」切り。
この「そぎ」切り。実は徳川家康が始めたという説がある。
時は1572年。「三方ヶ原の戦い」にて VS武田信玄とのバトルに、家康は惜しくも敗北を喫する。
「くそ!あのやろう!武田の野郎!あいつにだけは負けたくなかった!くそっ!今に見てやがれ!」
という思いの丈をありったけ、竹にぶつけた。
......よっぽど負けたのが悔しかったんだろうな。
「チックショーーー!(竹松)」
ってね。
「チックショーーー!(竹松)」
ってね。
まぁそんなダジャレは言ったか言わずか。
「次こそはぶった斬ってやんよ!この竹の様にな!」
という意思表明から、竹を斜めに切る「そぎ」が始まったのではないか?と伝えられている。
つまりこうだ。
竹に向け
思いの丈を
ありったけ
武田にだけは!と
言いたげな竹
by 徳川家康
勿論、こんな猛々しいうたを詠んだという記録は、無い。
しかし今後は斜めに切られた門松に出会ったら、我々も家康公の無念に共に浸ろうではないか。
出会うのは1年後であるが。
終わりに
竹に始まり、竹に終わった「門松」の話でしたが
意外と知らない、文化のルーツに触れてみるのも中々「温ったけー!」って感じですよね。
......終始トバリさんの親父ギャグにお付き合いいただき、ありがとうございました。
でも割と、親父ギャグセンスに"長ける"でしょ?
(やめさせてもらうわ)
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