小学校におけるシャーペンの是非

約2年前のお話です。
4月に体育館で学年開きを体育館で行いました。私は学年主任として、シャーペンについて以下のことを子ども達に述べました。

「シャーペンは正直に言って、学力を高めるため、ただ単に字を書くためだったら、とっても便利だと思います。

シャーペンが1本あれば、鉛筆のように削る必要もないし、鉛筆のように何本も入れる必要もないし、良いことづくしですよね。

でもね、小学生のうちは、シャーペンにもデメリットがあるんです。

まず、シャーペンを使い始めた時点で、字を美しく書く力が向上しにくくなります。

筆圧をかけることができないからです。

筆圧をかけようとすると、芯が折れてしまいます。

また、全員が全員、そういう訳ではありませんが、シャーペンを使い始めると、カチカチカチカチと音を鳴らす人が出てきます。

中学生になると、その辺りの自制心が働くようになるので、大丈夫なのですが、小学生段階だと、どうしても気になって、音を鳴らしてしまう人が出てきます。

それを聞いている人はイライラしますし、本人も授業に集中しにくくなります。

また、鉛筆の場合、高価なものを持ってくる、ということはありませんが、シャーペンの場合、そのうち、そこそこの金額で買ったものを持ってくる人が出てきます。

それで、教室で無くしてしまったとか、誰かが盗ったとか、そういうトラブルが時々起こります。

繰り返しになりますが、中学生は、そのあたりの自制心や、我慢する力が高いので、そういうトラブルは起こりにくくなります。でも、小学生段階では、その辺りのところが上手にできません。余計なトラブルを生むことになります。

だから、この学校、この学年ではシャーペンを禁止しています。家や塾で使うことは何も問題ありません。むしろ、ただ単に字を書く、ただ単に勉強する、というだけなら、鉛筆よりもシャーペンの方が便利で良いと思います。

でも、小学校でのシャーペンは、メリットよりも、デメリットの多いと先生は考えています。だから、申し訳ないけれど、シャーペンは学校に持ってこないでくださいね」

このような話をしました。
すると、後日、保護者と面談した際に、次のように言われました。

「うちの娘が、『今まで、シャーペンをなぜ学校で使ってはいけないのか、きちんと説明してくれた先生はいなかった。○○先生(私)の話はわかりやすくて、とても納得できた』と絶賛していました」

まさか、そんな感想を持ってくれた子どもがいたことに驚きました。
と、同時に、シャーペンのことに限らず、高学年の子ども達には、なぜ、それが禁止になっているのかを丁寧に説明することが大切であり、そのことの積み重ねが、きっと、高学年の子ども達からの信頼を得ることにつながるのだろうと思ったのでした。

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