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"失敗を生かすことができるかどうか、そこから何を学べるか。"

大事にしてきたキーワードがそのまま記事に出てきたので、今日はその記事の紹介です。

記事のタイトルだけ見ると、現場が大変なのが上層部に伝わらなくて退職になる、みたいな内容かな?と思って読み始めましたが、全然違いました。

実は失敗のケースは成功よりもある意味で大きな気づきを与えてくれますし、僕たちの行動を変える機会を与えてくれると考えているんです。

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失敗した事から学ぶというのは、介護現場では日常的に行われていると思いますが、それを意識しているか、理解しているかというとちょっと違って、その最たるものが事故報告書なんですけど、これをきちんと取り組んでいるチームは本当に強いですし、同じ事故は本当に起こさないというか、情報の共有も連携もかなり高いレベルでできていると思います。
事故報告書が先か、チームの連携レベルが先かは不明ですが、全体的にレベルが高いチームほど、この記事の視点で仕事を見れているし、利用者さんの状態を見れていると思います。

その施策が作られたときは、環境にフィットしていたから、合理的にその施策が生まれたのですが、代々それが受け継がれていくうちに、環境との整合性がすっかり忘れられて、施策、つまり「やり方」ばかりが残ってしまう。

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これもそうですよね、その時はよかったかもしれないけど、今は無駄な作業っていっぱいありますけど、それを無くすにも結構な体力(精神的・肉体的な)が必要で、どうしてもそれに慣れた人たちの反発を招きます。

たとえば昔いたデイサービスの職員さんで、毎月の利用者さんの誕生日を管理して誕生日企画を準備してくれていた人がいるんですけど、自分でつくった手書きの一覧表に新規の人や終了になった人をいちいちカルテを開いて追加したり消したりしていたので、それも手間だからシステムで誕生日一覧表を出せたので、サンプルに当月分を印刷して渡して、これを毎月発行できるよ、前月のうちに用意しておこうか?と提案したんですけど、結局それは使わずにずっと手書きで毎月チェックしていました。

なんで無駄な事に時間をかけるのか疑問でしたが、そういうやり方を変えられない人って結構多くいるんですよね。

「正しいのにうまくいかないのはなぜだ」となってしまった。「うまくいくようにするのがビジネスとして正しい」はずなのに、その発想には至らない。

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これもよくあります。
うまくいかないのに正しいと思ってしまうし、その方法に固執してどんどん状況が悪くなる。

認知症の方への対応でもそうで、成功事例は一定の参考にはなりますが、同じ人でもその時々の置かれた状況は気分や、介護する側の気持ちのありようや態度によっても”正しい方法”なんて僕らからはわからないわけで、結局はうまくいった方法が正解なんですよね。だけどその発想がない介護職も結構多くて、すぐにあきらめてしまう。そのうえで、この人は迷惑な人だ、なんてレッテル貼りをしてしまったりするわけで、介護現場はビジネスとはちょっと違うんですけど、うまくいくようにするのが僕ら介護職の仕事だとは思っているので、うまくいくまでなんだって工夫しようよ、とは言い続けるんですけど、これも一部の職員にしか響かない。

「なぜそれが必要なのか」という文脈や、外部環境の前提がごそっと抜け落ちていることがよくあるんです。

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これで重要なのが、理念やビジョンなんですよね。
ここをしっかり理解していれば、状況の変化があったとしても、そこで違う対策が発想できるし、工夫できるんだと思います。
この理念やビジョンが間違っていると、あらぬ方向に向かうので、細かい手順においても、理念やビジョンに照らし合わせてどうなのか、なぜこういう手順なのかをきちんと自分の言葉で説明できるリーダーは貴重です。

よく分からないまま生き残っているルールって、どの会社にも必ずありますよね。

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なんでこうしてるの?と聞いて、ちゃんと理由まで説明できる職員がいたチームは本当に稀でした。

ずっとこうしてました、とか。
教えられたからです。とか。

中には、変だとは思ってたんですけど、とか、無駄だとは思うんですけど・・・という職員さんも居ましたが、だったら変えようよ、発信しようよ、という話なんですけど、そういうのが言えなかったりはばかられたりする環境や雰囲気は、チームにとって良いことはありませんよね。

引っ越しとか模様替えって、すごく大事なことだと思うんです。先日、北野唯我さんと話したときに、彼が「小さく壊す」ということの重要性を語っていたのですが、「小さく壊す」ということは前提を疑うきっかけにもなりますよね。

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引っ越しは面倒ですけど、模様替えは結構好きで、ちょっと気になるとすぐにレイアウト変えたりしてしまいます。
小さく壊す、って考え方もいいですね。面白いと思いました。

せっかく問題点や課題に気づいても、「これを変えるの、面倒だな」「いろいろ問題があるのは分かっているけど、大変そうだなあ」となる。そうこうしているうちに「あ、メールが来た。返信しなきゃ」となって、日常に戻ってしまうんですよね。

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これはあるあるですね、僕はほぼ毎日こんな状況ですね。
気が付いていたのに気が付いたら日常に戻っていた・・・なんて事はよくあります。

まず手を付けるのが面倒だなぁ、って思うと動きが鈍くなりますし、結局切羽詰まってから力業でやってしまう、みたいな事も多いです。

最後は全員がシャワーを知らない猿になるんですけど、それでも誰も上らないんです。

環境は変化しているんです。シャワーのスイッチはオフになっている。環境の変化はあるけど、「上るな」というアクションだけが残る。

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この研究の内容は興味深かったです。
体験もしていないのに、やらなくなる。

お猿さんでもそうなんだ、と思うと面白いですね。
そうであれば、本能的に人間もそういうルールや知識があれば、やってみよう、と思わなくなる傾向がもともと強いのかもしれませんね。

「うまくいくかもしれないから、やってみよう」とポジティブに使えるといいですね。現状維持が一番という発想は、実際のところ変化し続けている環境に対する思考の放棄でしかないわけですから。

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なんでもボジティブな思考は重要ですね。
本当に現状維持はダメだと思います。
だけど、なかなか現状維持から抜け出せないのも介護の世界なんですよね。

業務改善のレベルというのはスノーボードみたいなものなんです。既存の事業があって、その上で改善していくわけですから。足元は安定しているんですね。でも新規事業というのは、足元は「水」なので、立つのが大変。だけど経営者って、首から上しか見ていないんですよ。だから担当者に、「お前なんで立てないの?」って言っちゃうんですね。

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新規事業の立ち上げは僕も経験しましたが、本当に同じような事を言われた事があります。お前が来てやれや!と本気で腹が立ったのを思い出しました。
まぁ、経営者だから数字だけ見て判断というのも理解はできますけど。

失敗を生かすことができるかどうか、そこから何を学べるか。

成功するかどうかは、まさにその時々の足元の潮流もあれば、サプライヤーとの相性や、テクノロジーの違いもあります。そしてもちろん、運と縁みたいなものもありますね。だからこそ大事なのは、それをどう総括するかということだと思うんです。

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今日の記事のタイトルのキーワードです。
成功するかどうかは、結局どこまでつきつめてあきらめずに挑戦できたかどうか、だとは思います。
限られた時間だといろいろ難しいかもですが、失敗から学びがあれば、それだけの経験を蓄積できるので成功する確率は高くなるはずなんですよね。

だから介護の現場でも、いろんな失敗や危ない経験をして、それの経験が事故やミスの予防につながるってのはありますし、僕自身がそれを実感しています。

ですから、事故があったときに報告書を書くのも大事ですけど、その事故を個人でどこまでちゃんと振り返っているか、チームでどう共有したか、が重要です。
個人が悪いとかそういうレベルではなくて、システムはどうなのか、改善の余地はないのか、本当にその手順がベストなのか・・・様々な視点で検討して工夫する事が重要と思います。

データ分析ばかりして、「うーん、あれはよくない」という話を延々としているよりは、「やってみましたけど、衣料と野菜は違いました」って。やっぱり、ネガティブな「かもしれない思考」を乗り越えて飛び込んで、ちゃんと総括するからこそ、次の成功につなげられるということですね。

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僕自身も同じ考えで、まずやってみれ。とチームには言います。
いつまでも、あーでもないこーでもない、と言っていても始まらないので、まずやってどうだったか、それの繰り返しが大事だ、という事はいつも伝えます。

成功につなげるためのステップですが、その一つ一つのステップの積み重ねが、いずれ利用者さんの生活の質をよくしてくれますから。


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