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尊敬するゲーム業界のお二人の対談を読んで共感と納得しかない。

学生の頃はゲーム好きでいろんなゲームをしていました。
コーエーの三国志や、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーなど。
そんな中でも一番好きだったゲームが、伝説のオウガバトルとタクティクスオウガでした。
ストーリーは勿論、世界設定などすごくてゲームをやり込みました。

仕事が忙しくなってからはゲームする時間もなくなりましたが、新生FF14もやっていて、こちらもすごく面白くて大好きなゲームでした。

最近、FF14を久しぶりに遊んでみようかなぁと思っていろいろ調べている最中に、この対談記事を見つけました。

仕事に向き合う姿勢も素晴らしいと思いますが、それ以上に松野氏が対談で語っていた『そういう見えないお客さん、ゲームで言えばモニターの向こうにいる人たちを、ちゃんとお客さまだと感じ取ることって、頭の良さやセンスが必要なのではなく、じつは経験ひとつで気付けるものではないかと思うんです。』という言葉は、本当にそうなんだよなぁと刺さりました。

店長に「数字には絶対に意味がある」と言われたことなど思い出します。

「ありますよ」と差し出したときのふたりの喜びようは半端じゃなく、それが「市内中どこの店を回っても見つからないものが、あそこの店には絶対にあるという安心感になっていくんだ」と店長は言っていました。

アンパンマンは流行ではなく、子どもが欲しがった瞬間に需要が生じるもの。だから店長は函館市内の小学生が、学年ごとに何人いるのか調べていたそうです。

あるとき、ひな人形を詰めている店員の仕事を見た店長が怒ったんです。「お前にとってはたくさん売れたひな壇のひとつかもしれないが、お客さんがどんな思いで買いに来てくれたのかを考えろ」と言って、その店員の前でみずからすべての梱包をやり直していた。
怒られた店員も、それを手伝うようになって……ああいう光景を見られたあの時間は、僕の人生にとって本当に大きなものでした。

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これが経営戦略ですよね、こういう事もやらないで集客できないとか収益があがらないとか言っている介護事業所は多いと思いますし、これは本当に大切な視点で、僕らの仕事は目の前にそのニーズが手に取れる位置にあるわけですから、そういう意味でもアセスメントの重要性についてちゃんと伝えていく必要があるなぁと感じました。
そして後半の内容は、買ってくれるお客さんの想いにまで想いを馳せていて、それが品質の向上につながっていくというモノを売る商売をする基本的な事なんですけど、介護だって介護サービスを売る商売なんですから、そのサービスがどうお客さんを笑顔にするかを想像できないとだめだと思うんです。

“お客さまは神様です”という顔をした人が来たときにどう対応すべきなのか、どんな理不尽な要求をされることがあるのか。それを、身をもって体験しておくとおかないとでは、全然違うでしょうね。

絶対に(接客業は)やったほうがいいですね。正直、どの仕事に就くにしてもやっておいたほうがいいと思います。

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僕も学生の頃は接客でアルバイトをさせてもらってましたので、そういう意味で基本は社会勉強できていたのかもしれません。

利用者さんの要求や要望に応えるのは当然ですが、たとえば認知症ケアで難しい対応とかあると思うんですけど、それって上記引用の『“お客さまは神様です”という顔をした人が来たときにどう対応すべきなのか』に通じる所があると思うんです。
それでいて一般の人が対応するんでなくて、介護のプロが対応するわけですから、当たり前に対応できないとだめだと思うんですよ。

松野氏:
 プランナーに求められる素養は、「誰よりもビジョンを持っていること」だと思います。面白いかどうか以前に、完成形が頭にないとまずダメ。


ウソでもハッタリでもいいから、「完成形はこうなるよ」というものを提示できなければ、誰も物が作れない。僕がここまで書いたのは、このくらいやらないと、プログラマーに意図が伝わらないと思っていたんですね。

吉田氏:
 しかも、昔のゲーム会社ではプログラマーが仕事の頂点にいたから、彼らが「ワケわかんねーよ」と言って怒り出したら、もうたいへんでしたし(苦笑)。

松野氏:
 いまの人には想像がつかないかもしれないけど、僕たちプランナーは最底辺の職業だったからね(苦笑)。
 いまみたいに「詳細を作りました。サーバーに上げておいたんで読んでください」なんてやったら、相手にもされない。一生懸命に仕様書を作って、みんなにプレゼンまでして初めて相手にされたから。

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ちょっと介護現場に似てる構造かも、と思って紹介です。
ビジョンを示したり熱意を伝えるっていう事は意識的にやってきたつもりですが、それって本当に直接伝えないと伝わらなくって、たまに書いた方針などを読んでそれだけで理解してついてきてくれる職員もいますが、そういう理解してくれる職員は稀で、だいたいが上記のようにプレゼンみたいな事までしないと真意が伝わらないことが多かったです。
現場職員に超ベテランとか居たらこんな状況ですよね、怒られることはないかもですけど、ちゃんとやってくれない。
表面だけやる、みたいな事も。

吉田氏:
 いや……僕は楽しんでもらって、結果として売れればそれでいいですね。

松野氏:
 そうだよね? それ以上の何を求めるの?

電ファミニコゲーマー

これなんですよ、この感覚が重要なんです。
リーダー級の職員には是非ともこういう事は職場で普通に言えるようになってほしいと思います。

吉田氏:
 そこはまったく同意します。面白さもプロが仕事をしただけで、「誰がやったか」なんてことは、お客さんには関係ない。

松野氏:
 そう、大切なのは「あのお化け屋敷はスゴかった」と思って帰ってもらうことだけ。それに比べれば、正直なところ、作家性なんてじつにくだらない話。

 そもそもゲームは集団で制作するもので、メディアのような表舞台では個人が背負ってるかのように語りますが、実際はそうじゃない。多くのスタッフの力を結集してこその商品ですから。

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そうなんです、本当は誰がやったかなんて関係ないんです。
今日は楽しい一日だった、それを感じて帰ってほしいし、そういう在宅サービスを作りたい想いが僕の根幹にあります。
記事の内容はゲーム業界の話ですが、いろいろと介護業界のチームの在り方やケアの作り方に通じるものがあると思ってナルホドと思う事がいっぱいです。
『多くのスタッフの力を結集してこそのケアですから。』を、日々より良いものにしていきたいと思いました。

吉田氏:
 たとえばスタジオジブリにも、宮崎駿さんを支える多数のアニメーターやスタッフがいる。
 でも、そこにそうやって人が集まるのは、それだけ創作物や言動に魅力があって、「この人となら面白くなるに違いない」と思える人がやっぱり中心にいるからだと思うんです。

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実はこれ、これからの介護業界ではすごく大事な視点と思っています。
それでなくとも人手不足で業界へ若手(後継者)が入ってこなくなる可能性が非常に高い現状です。
今のリーダー層が、若い世代の心に響くような”いいケア”をいろいろと実施して発信して、人が集まるような魅力を作らないとだめだと思っています。
そして、それはきっと『この人となら面白いケアができるに違いない』と思える人だと思うんですよ、そういう人が事業所の中心であるべきです。

なので、若い世代の介護職がいろいろと発信していくのはとても大切な事だと思っていますし、僕のような世代だって、若者に負けずに発信する事は大切だと思っています。

吉田氏:
 いまでも忘れられない出来事があって。
 『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』を作っていたとき、子どもたちによる全国大会を開いたんです。そこで子どもが優勝する。するといっしょに来ていたお父さんやお母さんがやってきて、家族で泣くんです。

 その光景を見たときが、僕の中で松野さんのような作家への憧れに、ひとつ区切りがついた瞬間でした。
 というのも、「ああ、自分には作るものの題材は関係ないんだな」とそのときに気づいた。「自分のゲームをプレイした人が楽しい思いさえしてくれれば、自分はそれで構わなかったんだ」って。

 それ以来、僕は「作らなければ」と使命のように思う題材はなくなりました。いま『FFXIV』を続けているのも、結局は「みんなが楽しんでくれているのが楽しいから」というのが最大の理由です。

松野氏:
 ……なるほど。
 まあ20代のときには目標とする人がいっぱいいて、「同じ立場に行きたい」という飽くなき欲求が僕にもありました。

 でもこの歳になると僕も吉Pといっしょで、「別にそれが最終目標じゃないな」と思うようになりました。
 最近はTwitterやFacebookでお客さんと繋がっていると、もちろん辛辣な意見も多いし、ヘコむことも多いんだけど、繋がっていること自体がスゴく楽しい。お客さんに喜んでもらえるものを何歳まで作れるか判らないけど、「作れる限りは作っていきたい」と思うようになりました。

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僕自身も『喜んでもらえるケアができれば満足』、という境地になったのもそれなりに経験を積んでからでした。もしかしたら最初は自分自身のために突き詰めていくんだけど、そのうちに真理のようなものに気が付くのかもしれませんね。それ以降はどんなに困難な対応があっても苦になる事はありませんでした。

松野氏:
 今回『FFXIV』に参加して思ったのは、「吉Pはスタッフの個性やクリエイティビティを活かすのがとても巧いな」ということ。プロデューサーやディレクターならそうするべきなのは当然だけど、とにかく巧い。

 僕と関わっているスタッフたちも、質問に対するレスポンスが速いし、否定は否定でハッキリ言ってくれる。ゴニョゴニョとしたごまかしがまったくない。

 「きっとこれは『FFXIV』チーム全体がこうなんだろう」と想像するに難くなく、「うまくいっているプロジェクトチームというものは、こうなんだな」と感じるところがあります。

 その中心あるいは頂点に吉Pがいて、彼がたぶんそういう空気を作り、それがチームリーダーに伝達され、チームリーダーもそういう空気をコピーしてスタッフに浸透させている。
 実際にできあがったコンテンツを見てもよくできていると思うし、面白い。
 プロデューサーとして人を大切にしているだろうし、ノセることも巧い。「あまり否定から入らないんじゃないかな」と勝手な想像をしています。

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僕自身、今、こういう役割が求められていて、そういう地位にいるんだな、と痛感しました。
リーダー層がちゃんと意見を言う。・・・今までは僕から聞き返したり、こう思っているのではないか?と感じて引き出す事でリーダー層の意見を引き出してきましたが、そうではなくて自分の意見をしっかり言えるリーダー層の育成を頑張ろうと思いますし、そのためには、吉田氏がされているような取り組みは非常に勉強になります。

松野氏:
 50歳を超えてからは、「老後、いかに楽しんでゲームを作るか」というのをテーマにしていて(笑)。

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老後は楽しい事ができる世代にする事は重要です。
介護サービスを受けても楽しい事ができないとだめですし、そう考えるとパソコンやゲームに親しんできた世代の老後には、やはりそういった環境はあってしかるべきですから、デイサービスとかでFF14とか提供できても面白そうだなぁ、なんて思いました。

おじいちゃん、おばあちゃんがネットゲームでお孫さんや子供さんと一緒に遊んだり。

いやいや、そもそもVRとかの技術が進んでそういうVRゲームみたいな感じで機能訓練とかしてそうですよね。

介護保険が始まってもう20年以上が経過しています。
時代が変わり、高齢者の層も全く違ってきています。
介護保険では対応しきれないニーズに対応できるように保険外サービスも認められました。

僕らは利用者さんの楽しい1日を創造するために、無限の可能性を現場で提供できないといけないと思いました。
そのためにはチームが必要ですし、柔軟な発想も必要ですし、便利な道具も必要です。

人手不足や経営難など暗い情報は多々ありますが、それでも様々な可能性とやればやるだけダイレクトに笑顔や喜びが感じ取れる介護の仕事の未来は明るいものだと信じて邁進していきたいな、と記事を読んで感じました。

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