上司を演じる
いまでも誰かの上司でいる事に自信がある事はありません。なんなら平社員に降りたいと常に思っていますし、上司との面接の際には必ず役職を解いて欲しいと毎度伝えていますが叶えられた事はありません。会社からは誰かの上司として全力を尽くす事が求められていて、その期待には精一杯応えたい一心で日々精進しています。
もともと僕はマイナス思考で人前に立つと緊張して何も話せないような性格でした。
中学の頃は野球部で練習では結構良いバッティングをしていたので4番を務めていた時期もありましたが、試合になると緊張してお腹が痛くなって空振り三振。前の打者がヒットで出塁しようものなら全く打てない、そんな性格です。
完全に相手に飲まれていたと思います。
失敗ばかり恐れて踏み出せない、人目が気になってなにも出来ない、全てが怖い、そんな風に生きてきました。
そんな僕が誰かの上司になったもんですから、そりゃ最初は大変でした。
人から指示命令されて行う仕事は何でもそつなくこなせたし自信もありましたが、指示を出す側になるともう何をしていいのか分からないしそれが正しいのかもわからない、間違ってたらどうしよう。人の人生を支える仕事だし、職員の人生だってかかってくる、どうしよう。
そんな風に思うと重圧に押し潰されそうで息も出来なくなるような思いをしました。
そんな溺れかけの状態で更に部下からは突き上げられ上司からは結果を求められ(笑)
辛さしかありませんでした。
今でもその構図は変わってないです。
どんなに結果を出して経歴を積み上げても、上司からは常に結果を求められ、部下からは突き上げられるし何なら思うように育ってもくれません(苦笑)
でも、辛さはそんなに感じません。多少のめんどくささは感じますが、うまくいかない時ほど【やってやろうじゃないか】という気力が湧いてきます。
若い頃には考えられない変化だと思います。
今なら4番でホームラン、打てたかもですね(笑)
振り返って自分が変化した最大の原因は、演じる事を始めた頃からだと思っています。
たぶん、元々の自分は変わってないと思います。
若い頃のように緊張もするし恐怖感もあるし常に不安です。
ただ、何が違うというと仕事モードに入ると仕事用の僕になるからです。切り替えと言えるほどハッキリしたものではありませんが、部下を持つようになって極度の緊張感の中で無理やり頑張って踏ん張って精神的に限界を超えてた頃に、おそらく自己防衛の中で自分の理想の上司像を演じてみよう、と無意識で思ったんだと思います。
目指そう、じゃなくて演じようという思考でした。
うまく説明できませんが、目指すというのはやはり自分自身を高めて到達しないといけませんが、演じるなら能力が足りてなくてもすぐに演じれます。だから演じようと思ったんだと思います。
それから常に僕の中には自分なりの理想の上司がいて、その人ならこうする、その人ならこう答える、といった具合に考えるようになり、それを演じて仕事をするようになりました。
最初の頃はハッタリが多かったですが、それも不安を無くしたいので調べたり勉強したり実践していく中で昔はハッタリだったものが時間をかけて自分のスキルになっていきました。
そして常に理想の上司は僕の先を行っているので、いつまでも追いかける構図なんですが、そういう不安感が常にある事で自分の限界を自分で決める事なく努力できてるのかなぁと思っています。
職員の中には、自分はここまでです。と限界を語る職員が多く居ましたが、それはなんだか勿体ないと思います。
本人が諦めてしまえばやはりそこが限界になっちゃいますが、諦めなければ無限の可能性があると思ってます。
無限の可能性、ワクワクしますよね。
なので何事も諦めるのは勿体無いと思います。
諦めず努力が出来れば、マイナス思考の僕が誰かの上司をやれているように、きっと何だってできるようになると思います。
そもそも自信満々でリーダーをやってる人の方が少ないんじゃないかなぁと思っています。
自分の人生です、自分のいいように主役を演じていけばいいんでないでしょうか。
僕はそれで自分なりに与えられた場所で与えられた役割を担う事ができ、その中で自分自身が成長できていると実感できるようになりました。
自分なりの理想の上司なので万人受けはしないでしょうが、それはそれでいいと思っています。
なんでも完璧や全員から受け入れられる事は無いと思いますし、違う価値観や評価があるからこそ、またそこで成長できると思っているからです。
仕事は生活を支える手段ですが、その手段の質を高めれば必然的に生活の質、人生の質も高まると思います。
僕はその方法を、演じるという形で見つける事ができたんだと思っています。
ただの現実逃避や逃げなのかもしれませんが、僕なりの役職に就く際の働き方のコツの紹介でした。
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