拘縮について学んできました。
10月21日(土)に介護福祉士会主催の研修会があり、派遣の予定がない職員と一緒に参加してきました。
・・・書きかけの記事でしたが、もう一か月も経ってたんですね・・・。
講師は理学療法士の田中義行先生。
元々は認知症ケアの実践から出発されたそうで、講義の内容も説明も実践的で介護職にも分かりやすく現場でも導入できるような方法も教えて頂ける感じでした。
ちなみに懇親会にも参加させていただき、いろいろお話させていただいてとても勉強になりました。
注文したジンジャーエールにジンジャーが入ってなくてただのソーダ水が出てきたのを一緒に笑ったのは良い思い出です。
さて、この研修会は、前回出席した研修の際に10月に身体介護技術の研修もやるよーって案内されていたので、介護現場初めての新人さんには実習もあるらしいのでいい経験になるだろうし、僕やベテランもいろいろ再確認できる良い機会になると思って参加の段取りはしていました。
前回の研修ではケアラーについて勉強しました。
今回の研修は、『拘縮・褥瘡の予防とその対応について』というタイトルでしたが、内容的には、拘縮について学ぶ事でその拘縮を解く事ができるかもしれない、我々が正しいと思ってきた介護方法が実は拘縮を進めていたかもしれない・・・という内容でした。
正直、僕自身は拘縮というのは医学的なリハビリや治療をしないと戻らないと思っていたので驚きでした。
特に脳梗塞等による拘縮は、どうしようもない、よくならない、と思っていたので大変おおきな学びになりました。
まず、拘縮に分類がある事を学びました。
拘縮の分類について
① 皮膚性拘縮
医療的な治療が必要なので介護現場で介護職がどうこうできる種類の拘縮ではないという事ですが、知らないのと知っているのではだいぶ違うな、と思いました。
② 結合組織性拘縮
こちらも医療的な対応が主になる内容ですね。
③ 筋性拘縮
介護現場でもよく見る拘縮ですね。
こちらの拘縮は介護方法でよくできる可能性があるとの事。
④ 神経性拘縮
こちらも介護現場でよく見る拘縮ですね。
こちらの拘縮も介護方法でよくできる可能性があるとの事でした。
⑤ 関節性拘縮
研修では、こちらの分類は②結合組織性拘縮に含まれて説明されていました。
原因の違いで分類があり、分類があればアプローチ方法も違う。
当然といえば当然なので、拘縮の種類に応じた適切な対応があるという事です。医療的な治療や対応が必要な拘縮はそちらに任せるとして、介護現場で対応可能な筋性拘縮と神経性拘縮については、適切な対応をすればよりよいケアにつながるよね・・・という事です。
また、筋性拘縮と神経性拘縮が併発している場合も多いとの事でした。
なんにしても病歴や状態からそれらを見極める視点がないと適切な対応もできないという事ですので、あらためて介護職であってもリハビリ関係の知識は必要だし、それを知る機会を作る事は重要だと思いました。
そして、今回の研修で初めて聞いて知った単語がありますので、そちらについても紹介したいと思います。
連合反応
実は、拘縮にはこの連合反応という無意識に使っている筋肉や緊張が関係していて、この連合反応を意識する事で拘縮が緩むケースが多いとの事でした。
抗重力筋
重力がかかっている以上、あらゆる時間で筋肉がバランスをとるために働いていて、姿勢の悪さやゆがみがあるとこの筋肉の作用で様々な不具合が出てくるという事で、介護現場ではこれが作らなくてもいい拘縮をつくっている可能性があるという事でした。
研修資料より補足すると、日常生活では重力下にありますので必ず抗重力筋が緊張するとの事。
例えば、寝ていれば後頭部から踵までの身体のいわゆる裏側の筋肉が緊張しているというとらえ方。
ですので、寝たきりの時間が長いと、この裏側(背中側)の筋肉が緊張し続け拘縮に繋がっていく・・・というような感じです。
ねじれ
身体のねじれについても重要なポイントという事で説明をしてもらいましたが、僕が思い出しながら書くよりも先生の記事がありましたので、そちらを参照してみてください。
まとめ
さて、簡単にまとめると、拘縮への対応については、連合反応と抗重力筋について知っておくと、拘縮を緩める事が出来る可能性が高くなるという事です。
その際、筋性拘縮なのか神経性拘縮なのか、それ以外の拘縮なのか、という原因がわかれば、対処できるかどうかもわかるという事です。
筋性拘縮や神経性拘縮であれば、現場レベルの工夫で拘縮による緊張を緩和できる可能性があるという事です。
実際、研修でも動画によって緊張を解く前と解いた後の動画を見せてもらいましたが、びっくりするくらい拘縮が緩和されていました。
研修で見た映像が一部配信されていましたので参考に紹介しておきます。
筋の緊張を解く事で拘縮が少しでも緩和できるのであれば、そういうアプローチをどんどんしていきたいな、と思いました。