歩きで交通事故も、自分の車の保険から

地元で食堂を経営している中原辰郎さんが、散歩のときに交差点で曲がろうとした自動車にぶつかり、転倒した。

幸い、命に別状はなかったそうだけど、転倒した際に右足を骨折してしまったそうだ。

相手はケガも損害も無いらしい。

「歩行中の交通事故」

ふと、その言葉が引っかかった。

共済の保障範囲で、そんな言葉を目にした記憶がある。

「なんだっけ・・・」

思い出した!自動車共済の人身傷害保障だ。

車の共済・保障だけれど、

「ご家族の歩行中の交通事故によるケガも、保障の対象に含まれます」

と、ご説明時に補足している。

ただし、これには「限定が付いていない事」が条件だ

『被共済者限定特則』を付けると、掛け金がほんの少し安くなる。でも、ご家族の歩行中の交通事故によるケガの保障は範囲外となってしまう。

中原さんの娘さんから、事故の経緯とケガの経過を聞いている時、頭の中では農協に戻ってから早速契約内容の確認をしてみようと考えを巡らせていた。

もしも、人身傷害保障が付いていて、被共済者限定になっていなければ、お役に立てる可能性が高い。

確認をせずに先に期待を持たせてしまって、後で「すみません、対象になりません、支払えません」と言うことになってはマズいと思い、その場では黙ってお話を聞いていた。

支店に戻り、JA共済のタブレット端末、通称『ラブレッツ』を起動させる。

手のひら静脈認証の後、3Qシステムから検索して、中原さんの世帯保障台帳を開いた。


・・・・中原さんちは、車の保険は農協では加入していなかった。

他の保険会社でも、同じように人身傷害はある。

そして、歩行中の自動車との交通事故も、保障範囲に入っている場合が多い。

1週間後、改めて中原さんの娘さんとお会いした。

「お父さん、ケガの方はどうですか?」

「お店に入ると絶対無理しちゃうから、「休んでて!」って部屋に引きこもらせてる(笑)」

と、明るく話してくれた。

人身傷害の歩行中の交通事故の保障についてお話ししようとしたら、娘さんの方から

「そうそう、保険のね、車の方でね、うちで入っている車の保険の方で、なんか歩行中も出るかもしれないんだって」

と、お話してきたので

「おおー、少しでも多く出ると助かりますね」

と、話を合わせ、それ以上は踏み込んで会話をすることは避けた。

保険会社によって内容に差があるし、ケースバイケースで万が一支払いにならないリスクもあるから、その話はほどほどにして、おうちを後にした。


家族の歩行中の自動車の交通事故。これを、しっかり把握していて、忘れずに請求をできている人は、いったいどれくらいいるんだろうか。

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