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博さんの軽トラックが無い=留守かな
道路わきに車を留め、手紙を手に門まで来たところで、母屋の裏の方にある車庫が空なのが見えた。
あそこに軽トラがあれば、この家のご主人の安本博さんは居る可能性が高く、無ければ、ほぼ留守だ。
娘さんと2人で暮らしている安本博さんは、定年になったばかりでまだまだ若い。娘さんは日中は仕事でいない。
門の前で踵を返して営業車に一旦戻る。
助手席側を開け、ダッシュボードからスティックノリを出し、封筒に封をする。
封筒の中には、共済友の会の生活習慣病検診(別名:成人病検診)のご案内が入っている。
JA共済の、死亡と火災の保障額が世帯合計で5000万円以上加入していると、共済友の会の会員に自動で登録され、いくつかの催事の案内が届く。
博さんの家はうん十年前に自宅が火事にあわれたらしい。
それ以降、農協の共済にたくさん加入していただいている。
終身共済も、「払い込み終了」と呼ばれる
「メインの掛け金が払い終わると、同時に上乗せ死亡保障が激減する」
設定の年齢が、大多数は60歳のところ、博さんは65歳と少し長い。
定年しても数年は大きい保障が続く。掛け金の払い込みも続くけど...。
そんなわけで、2人暮らしだけど、共済友の会のお手紙が届く。
今日は博さんの家には他に用事はないため、不在がわかったから手紙をすぐにポストインして次の家に回る。
ポストは門の横に続くブロック塀に一体になっておさまっている。
このポスト、奥行きがあるから要注意だ。
投函口のフラップを開けると、その高さと幅のまま、奥行きが15センチくらい続いていて、その奥に急に深さがあって、広くなっている。
フラップに軽く押し入れただけだと、手前の奥行きで止まってしまい、敷地側から開けても手紙が見えない。
後から他の投函物とかに徐々に押されて奥に落ちればいいけど、お客さんが見るのが遅れる可能性がある。
前に、約束した日に留守だった時、名刺をポストに入れたら、1週間後に発見された。
今日はしっかりと、ポストの奥に落とした。
手紙の配布はちょくちょくあるけど、郵便屋さんと違ってバイクじゃないから、営業車が家の前に止まるだけで家の中の人は来客と察してしまう。
確実な留守以外は、チャイムを鳴らして面前で渡す必要がある。
回る順番を効率よく、行ったり来たりせずに回るために、手紙は支店で訪問順に並び替えて持ってきた。
まだ、20軒はある。目標は明日までだ。