急いでいない時、違う道を通ってみる
夏辺八重さんは80代後半のお婆さんで、火曜と金曜以外は家にいる。
息子さん家族と同居しているけど、若夫婦は共働き、お孫さんは高校生で部活もやっているみたいで、平日の日中は八重さん一人。
八重さん自身も、デイサービスと接骨院が毎週あって、火曜と金曜は不在がちだ。
今日、月曜はどちらもない日。今日みたいな日は、家の中か、家の前の畑に一日中いらっしゃる。
朝の約束のお客さんが早めに終わり、いったん支店に帰ってきたけど、まだ10時台で、お昼まで時間がある。
夏井さん宅まで10分前後で行ける、行ってしまおう。
多呂精支店を右に出てすぐの県道を更に右折して走ると、そのあと2回だけ曲がったら夏井さん宅だ。
でも、県道を長く走るため、信号が多い。
今日は時間が迫っているスケジュールじゃないから、通ったことのない細道を走りながら向かってみることにした。
細道だからスピードは出せないし、電柱の有るところで対向車が来たりしたら、事前に察知して安全に行き交いができるように、いつも以上に注意は必要だ。
朝の時間じゃないから、通学路で時間帯指定の歩行者専用道路がある可能性もほとんどない。
県道に入り、川の橋を渡った先の信号1つ目を越えたところで、右に曲がる信号のない道がある。
幅は6メートルくらい。
ゆっくり侵入していくと、右手は住宅が並び、左手は垣根がずっと続いている。
やや右カーブで、奥の視界は見通せない。
少し進むと、道が急に右90度くらいに曲がっていた。
丁字路でも十字路でもない、1本道だから、道に沿って曲がるしかない。
・・・その先は元の県道に出た。
危ない危ない、時間が無い時にこの道を通っていたら、時間のロスだった。
でも、この道に住宅が数件並んでいることを発見できた。
今度、チラシのポスティングの時のために覚えておこう。
あ、その前に住所を確認しておかないと。
自分の担当住所じゃなかった時には他の渉外に怒られてしまう。