あの夜わたしを支えたもの

こんばんは、こんぶです。

※令和6年能登半島地震にの時のことが少し記載されています。
苦手な方はまたの機会にお会いできたら嬉しいです。



私が生まれ育ち、そして今暮らしている場所は石川県のお隣に位置しています。

年末年始は実家で過ごしていました。
ここ数年、「あ、揺れたな。」くらいの地震は何回もありました。
あの時、今回もいつものやつだと初めは思いました。
だけど、そう思ったのも束の間。
強い。そして長くない?!
子どもたちをすぐにテーブルの下に入れ、子どもたちを抱きしめるようにし、私自身もテーブルの下で屈みました。
今まで感じたことのない強い揺れ。
壁にかけていた重めの額縁が落ちそうになっていたり、中身が軽かった棚は棚ごと倒れていました。

そのあとも、何度も続く強い揺れ。
そして津波警報。
初めて経験する大きな揺れも怖かったけど、テレビから繰り返し流れてくる「津波が来ます。いますぐ逃げてください。」
頭に浮かぶのは東日本大震災の時に何度もテレビで観たあの映像。
これが一番怖かったな。

子どもたちがいたので、一生懸命落ち着いたフリをし、恐怖心を減らすよう努めたつもりでいましたが、子どもたちは怯え切ってしまい、テーブルの下からなかなか出てこれなくなってしまいました。
その日、子どもたちは夜ご飯も一口も食べれませんでした。
なんとか水分だけはとってもらい、19時半には布団に入りました。
子どもたちは疲れ切っていたのか、すぐに眠っていきました。

私も子どもたちの横でいつの間にやら眠ってしまいました。
目が覚めました。21時半。
まだ21時台なん?え、朝までまだまだ時間あるやんけ。

夜にまた大きな揺れがきたらどうしよう。
大丈夫、さっきみたいな揺れがきたとしても、今寝転がっている場所は倒れてくるものは何もないから、すぐに何かになってしまうことはないはず。
まず子どもたちに布団でもかぶせて守って、それから、それから………。
大丈夫大丈夫。

子どもたちの前では「いつも通りのお母さん」
両親や祖母の前では「しっかりした長女」
をしてきたけど、正直私も怖いものは怖い。
気を抜くと変なことばかり考えてしまいそうになっていました。

どうしよう全然寝れねえー。

そもそもいい大人が変な時間に2時間弱も寝てしまったらそりゃ眠れない。

その間も何度かくる余震。

こんなに朝までが長いと感じた夜はなかった。

無事にこのまま朝を迎えることができますように。

こんなこと願った夜も今までなかった。

このまま一人でもんもんしているのは耐えられなくなり、この際眠れないまま朝迎えてもいいやと諦め、なにか動画でも観ようとYouTubeを開きました。
そうだこれ観よ。
私が選んだのはこの動画です。

マユリカの中谷さんがただ眠っているだけの動画。
私の大好きなポットキャスト、マユリカのうなげろりん!!の#106の話の流れで、阪本さんが中谷さんのが眠っている様子を見てみたいと言ったことから始まったこの動画。
12月30日という奇跡的なタイミングで動画をあげて下さり、あの夜の私を支えてくれたのでした。

この動画、7時間59分13秒というくそ長尺なので動画をあげられた瞬間は長いわ!となったのですが、この長さがあの時の私には丁度良かったのです。
だってだらだら観てたら朝になってくれているのだから。
約8時間もあるので。
朝を迎える前に終わらないという事実がすごく頼もしかった。

動画を開く。
パンイチ(しかも真っ赤なブーメランパンツ)で寝ようとする中谷さん。
私は一体何を観ようとしているのだろう。
ほんの一瞬正気に戻りそうになる。

てか、中谷さん無駄に美脚じゃない?

これ静止画かな?みたいに何の動きもない時も多い。
だって人がただ寝ているだけなのだから。
しかも、別に阪本さんや中谷さんの音声が入っているわけではなく、聞こえてくるのは中谷さんのいびきと換気扇の音プラスα(乾燥肌を掻きむしる音や屁の音)のみ。
このなんの情報も得られない、内容が全くないということもあの時の私にはすごく合っていました。
真剣に見たり聞いたりしなくて良いのだから。
観るというより、ぼーっと眺めるという感じでした。
コメントで誰かが言っていましたが、パンダの赤ちゃんの様子をモニターで観ているような。
飽きてきたら、チャット欄のコメントを見て、くすっとしていました。

この動画の最大の良いところは眠っている人が中谷さんというところです。
中谷さん、眠りながら自分の全身の至るところを触ったり、搔きむしったり、うわーってなるようなことをします。
けど、中谷さんだから、まあまあまあまあと許せる。
だってもうきちゃない人間だということはみんなの共通認識みたいな人だから。
あと、パンイチで眠っていろんなところを触るため、中谷さんの中谷を小中谷が隠すという秀逸な編集もあり、流石に笑うしかありませんでした。
そんな感じで中谷さんだからこそある、笑えるポイントもいくつもあるのが流石マユリカ!流石中谷さん!という感じでとてもよかったです。

そうこうしているうちにもう無理眠たい…となり、入眠することができました。

そのあとも何度か目が覚めましたが、動画の続きを眺めてはまた入眠し、を繰り返して朝を迎えることができました。
また起きてしまったとしても、あのくそ長尺動画を観たらいいと謎の安心感も沸いてきて、眠れないことへの不安はなくなっていきました。

あの夜、私を支えてくれたのは間違いなく、マユリカのうなげろりん!!だし、中谷さんです。

マユリカの二人、ラジオ関西、うなげろりんスタッフの方々、いつもありがとうございます。
そんなつもり到底なさそうな動画でしたが、ここに一人、あの動画に救われた人間がいます。
本当にありがとうございました。

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