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映画『ドミノ』
喉元まで出ているのに思い出せない時がある。でも、何か一つの出来事が切っ掛けになって、急にクリアに思い出せるようになることがある。まるでドミノ倒しの様に。
この映画の主人公は、休日の公園でふと目を離した隙に目の前で幼い娘を怪しい男にさらわれてしまった刑事だ。その事件がトラウマになって、心理カウンセリングを受けている。3年経ったが、未だに娘は見つかっていない。
そんなある日、最近続けて起きている奇妙な銀行強盗がまた起きるという匿名の通報を受けて、その銀行に駆けつける。何が奇妙かと言えば、その銀行強盗は金を奪わないというのだ。
しかし強盗犯を追って銀行に乗り込んだ刑事は、その事件が行方不明になった娘の事件に関係していることに気付く。まるで犯人に誘導されている様に・・・。
原題はヒプノティック。催眠だ。
そう、この映画のテーマはドミノではなく催眠の方だ。あなたは、秘密裡に進められているドミノ計画の催眠によって構築された世界を観させられるのだ。
そして、謎を解く鍵はドミノにある。
私は催眠術を受けたことは無いが、催眠術師が催眠をかけた人を自由に操る様子を、昔テレビで見たことがある。今考えれば、あれは多分に演出だったのだろうけれども、何かと騙されやすい私たち人間は、現代資本主義社会に生きているという催眠状態にいるのかも知れない。朝目覚めた時に、昨夜寝た時と同じ部屋、同じベッドにいたからといって、始まろうとしている1日が昨日の続きだとは限らないではないか。今日のあなたが昨日とおなじあなたかどうかを証明出来るのは、あなた自身ではなく取り巻く世界の方なのだ。
見たもの聞いたものが真実の世界を表しているかどうか、鵜呑みにしていたことに気づいた瞬間からドミノ倒しが始まっているのかも知れない。
催眠から目覚めよ!
おわり