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Netflix映画『ロックド・イン/囚われ』
何かの事故で意識を失った女性が目を覚ますと、身体が動かなかった。意思を表現するために出来るのは片方の目の瞬きだけだった。その瞬きを頼りに献身的な看護師が患者から読み取った単語は「殺人」だった。
瞬きで何かを伝えようとしている女性は、イギリスの富豪の家に嫁いだ元女優キャサリンだ。意識はあるのに声も出せず手足も動かせない状況はさながら囚われているかのようだ。
キャサリンには亡くなった夫の連れ子、息子のジェイミーと、孤児として育てることになった知人の娘であるリーナの3人で大きな屋敷に住んでいる。ふたりの子供は幼い頃からある種の依存関係にあり、成人して結婚することになる。夫が亡くなった際に遺産の全ては息子のジェイミーが相続していたから、ふたりの結婚により母親は屋敷に住まわせてもらう立場になって、関係性はこじれていく。
登場する人物は少なく、物語の舞台も屋敷と病院の2箇所。コンパクトな作りなのに話は決してちまちましていない。怪我で動けないキャサリンはもちろんだが、登場人物の誰もが何かに囚われているという複雑な人間関係では、事件が起きてもおかしくない。
なぜキャサリンは怪我をすることになったのか。本当に殺人未遂なのか。だとしたら犯人は誰か。最後の最後まで展開が読めないシナリオに結末まで飽きさせない。悪者が誰なのかが気になるところだが、誰か一人だけが悪いとは言えないのが現実だ。
何が人を狂わせるのか。愛なのか金なのか、それとも嫉妬なのか、束縛なのか。
広い視野を持って生きることは大切だ。でないと囚われてしまう。
おわり