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【読後想】『レゾンデートル』★★★★★

 夏休みの宿題で読書感想文が苦手だったけれど、感想でも書評でもなく、想ったことを勝手に書き留めるだけなら出来そうだということで記録する読後想。

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 自分が存在している理由や意味は何だろうか。
 そんな事を思い悩むのは人生が何かの暗礁に乗り上げた時だろう。その暗礁を乗り越えられる見込みが完全に絶たれた時、人は意味を問わずには生きられない。

 そこで今回私が出逢ったのはこの作品だ。

知念 実希人(著) レゾンデートル (実業之日本社文庫)

 これが筆者のデビュー作だというから凄い。
 何より医療系の描写がリアルなのがズルい。医師だからこそ書ける真実味がそこにある。普通の人はどんなに足掻いても医師の視点で物を言う経験など持てないのだ。こんなミステリーが面白くないはずがない。

 という訳で私の評は★★★★★。
 星5つだ。

 犯人を当てることだけがミステリーの面白さだとすれば、この本は特筆するほど面白い部類ではないだろう。勘の良い人なら早い段階で犯人が分かってしまうから。しかしこの物語の力点はそこ以外にある。

 登場人物たちはそれぞれが、受け入れなければならないことを背負っている。でも受け容れたくないこともある。人間誰しもそんなものだ。
 しかし生きていると、受け入れることでしか前に進めない場面がある。そんな時、その先に自分の存在意義が見出だせれば、やり遂げる為の源動力になる。
 それだけ人にとって生きる意味は重要なことなのだ。
 さて、あなたにとってはどうだろうか。

おわり

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