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《シリーズ》政府のお財布 その④ 歳入 ー 政府の収入(2)

このシリーズでは政府の支出や収入について勉強している。

前回は政府の収入について財務省の解説ページを途中まで辿った。
今回はその続き。

前回の記事 ↓

財務省の解説 ↓


なぜ財政は悪化したのか(財政構造の変化)[1]

早速、財務省の解説を見てみよう。
まずは下のグラフをじっくり見て欲しい。そしてその下に掲載した財務省の解説を読んでみよう。
財務省のページでは解説の次にグラフが掲載されているが、これでは解説に沿った図の見方をしてしまう。
そうならないために、まずグラフで事実を確認しよう。
グラフを見ることで事実が分かり、解説を読むことで、財務省がどこに着目したいのかが解る。
図に○印がある時点でそこに目が行ってしまいがちだが、気にしないようにしよう。

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 グラフを見てあなたは何が掴めただろうか。
 歳出に関して言えば、社会保障と国債費が増えたものの、他の予算は変わらない。歳入に関して言えば、税収などの収入は変わらないが、公債金が増えた。
 そして、歳出の国債費は1.7倍であるのに対して、歳入の公債金は7.8倍になっている。このアンバランスはどういうことだろうか。

 財務省の解説はこうだ。

●1990年度と現在の歳出を比較すると、社会保障費が大きく伸びている一方で、公共事業や教育など他の経費は横ばいとなっています。
●歳入を見ると、税収などの収入の増加に対し、借金である公債金は約8倍と大幅に増加しています。

なぜ財政は悪化したのか(財政構造の変化)[2]

財務省の解説を続けよう。

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●歳出構造を1960年度にさかのぼって更に長期的に見ると、国債費と社会保障費の割合が増大しています。
●一方、公共事業や教育、防衛などの政策経費の割合は一貫して大幅な減少が続いています。

 比率で見ている点がポイントだ。
 国債費と社会保障費が増えた反面、公共事業や教育、防衛などの費用は減りが激しいように見える。ただ、これはあくまで比率であって実額ではない点に注意が必要だ。
 先に見た通り、1990年との比較では、公共事業や教育、防衛などの費用は減っていない。


国債を買っている人

 ところで、増え続ける「国の借金」と言われている国債を買っているのは誰だろう。

この資料を見ると、下のグラフのように約半分が日本銀行であることが分かる。

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 日本銀行以外は誰かと見ると、殆どが日本の金融機関である。購入者の多くが日本国内で、海外は7.2%となっている。
 つまり、もし「国=日本銀行」と単純化すると、「国の借金」を引き受けているのは、少なくともその半分は国自体であるというように見える。あなたが、あなた自身から借金出来る仕組みがあったとして、あなたがあなた自身から100万円を借金したとしたら、あなたの借金はいったい幾らと見積もるのが正しいだろうか。あなたのその100万円の借金は誰に返すの?
 大雑把な話をすると、日本銀行以外の金融機関が持つ国債を買うのは最終的には日本銀行になるので、日本円で取り扱われる限り、日本の中だけでお金がぐるぐる回るだけのことだ。これは借金なのだろうか、それともそういうお金の仕組みということなのだろうか。

 ちなみに、Wikipediaの「日本国債」の「発行と流通のしくみ」の項目に、中野剛志氏の書籍からの引用として以下のようなことが書かれている。
 これは本当だろうか。

以上のプロセスが示すように、銀行は集めた民間預金を元手に国債を購入しているわけではなく、日銀が供給した日銀当座預金を通じて、国債を購入しているため、銀行の国債購入は、民間預金の制約を一切受けず、銀行が国債を購入して政府が支出する場合、銀行の日銀当座預金の総額は変わらない。また、政府が国債を発行して、財政支出を行った結果、その支出額と同額の民間預金が新たに生まれる。つまり、政府の赤字財政支出は、民間預金を減らすのではなく、逆に増やすことになる。それゆえ、財政赤字の増大によって民間資金が不足し、金利が上昇するなどということは起き得ない

つづく

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