⑲ 他7個で指導すべきこと(10個目について)

最後の「ものの見方を変えて考える」とはどのようなことなのでしょうか。
「ものの見方」とは対象を見る視点(自分としての立場)を決めて見つめていくことです。「見方」のよって、同じものを見ても考察や主張が異なってくるということになります。
例えば、『ぼくのお父さん』では以下のような構成が存在しました。

「な か」①昨日は遠くまででかけたので帰ってきたのは夜遅くでした。
「な か」②今日は荷物の積み込みがあるので朝早く出かけました。
「な か」③明日はいろいろな所へ行くので泊りとなり帰ってきません。
「な か」④先月は土日も仕事に行って3日しか休みがありませんでした。
「な か」⑤たまの休みは家の壊れたところや車の修理などをしています。
「まとめ」お父さんは本当に毎日毎日とてもよく働きます。

しかし、これは見方を変えると同じ①②③④の「なか」から以下のような「まとめ」が帰納的に考察されるでしょう(そしてその「まとめ」から必然的な演繹性で「むすび」が導かれます)。
*異なる「見方」となるものを強調文字で示しました。

「まとめ」これは過労死レベルを超えています。働かせられすぎです。
「むすび」お父さんは私たち家族のためにも働き方を考えていくべきです。


このようにも「見方・考え方」の重要性を、しっかりと国語科として教えていかねばなりません。

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