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世界が広がる英文読解講義「フランシス・ベーコン」
拙著『世界が広がる英文読解』(岩波書店)で提唱する知的活動を日々実践します。
本日は「フランシス・ベーコン」についてシンプル英語版ウィキペディアで学習します。
ベーコンは「知は力なり」という言葉で有名であり,「イギリス経験論の祖」と呼ばれています。
He has been described as one of the greatest thinkers ever whose ideas have changed the way people think.
describe A as B「AをBだと言う,称する」を受動態にするとA be described as Bとなります。これを現在完了形にするとA have [has] been described as Bとなります。
ここでのeverは「これまでで」の意味で,最上級greatestを修飾しています。
whose ideas have changed…のwhoseは関係代名詞(所有格)です。
the way SVで「SがVする方法」。もともとはthe way how SVでしたが(ここでのhowは関係副詞),現在はこの形は使われず,the way SVとするかhow SVとします。
【訳例】
彼は,その思想が人々の考え方を変えた,これまでで最も偉大な思想家のひとりだと称されてきた。
フランシス・ベーコンの思想とはどのようなものであったのかを「センター試験・倫理」の過去問で確認します。
ベーコンは,従来のスコラ哲学が空虚な議論に陥りがちだと考え,先入見を排し,観察と実験を通じて自然を認識することが必要だと唱えた。
観察と実験のみによって一般的命題を導く彼の方法論を「帰納法」と呼びます。
近代科学は,その中心的な方法を,実験や観察の積み重ねと仮説の設定,帰納法や演繹法などの推論に置いて,真理を追究する。こうした知の営みが正しく行われるためには,我々自身が,自らの内に潜んでいる先入観から解放されていなくてはならないだろう。このような解放を目指して,例えば,べーコンは四つのイドラを明らかにし,デカルトは,確実な知識を求めて,自明とみえる事柄を徹底的に疑った。このような探究の目が人間自身に向けられると,近代的自我の確立が促されることになった。そして,人間への探究は,社会的な面では,伝統的な権威や偏見に理性の光をあてようとする18世紀の啓蒙主義につながっていくのである。
「四つのイドラ」の「イドラ」とは先入観や偏見のことです。「種族のイドラ」「洞窟のイドラ」「市場のイドラ」「劇場のイドラ」があります。
皆さまからのお布施はありがたく頂戴いたします!