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「メモ取らなくていいの?2度は言わないよ」と言うか


2度は言わないよ

上司「見積出すときはまずこのボタンを押すんだよ」
部下「はい!」
上司「メモ取らなくていいの?2度は言わないよ」
部下「は、はいぃぃぃ!」

っていうのよく見かけるし、僕も前の会社に勤め始めたときに何度か言われた。

これは確かに正論だ。これを言うことによって部下はしっかり覚悟を持って話を聞くようになって効率よく仕事ができるようになる効果がありそうだ。

だが、上司は損している。

これを言ってしまうと、万一忘れちゃったりメモを取り間違えたりした場合、部下はそのことについて2度と聞いてくれない。

なぜなら、「2度と教えない上司」だからだ。

メモをきちんと取るのは難しい。会話のテンポの中で相手の目を見たり受け答えをし、メモをサラサラと書くのは至難の業だ。たまに「メモは後にしろ!」という上司だっている。

なので結構な確率で一回じゃ理解できず、「出来ないけど聞けない」部下が出来上がる。
よく「聞きづらい」と嘆いている部下のうち何人かもこの類だろう。

上司の仕事は、原理的に言うと、N人の部下に自分の仕事をバラまいて1人でN人力の仕事をすることである。

一人でも多く自分の仕事をしてもらわないと、結局自分がその仕事をすることになるので、部下のパフォーマンスは最大にしなくてはいけない。

そんななか「出来ないけど聞けない部下」がいた日には、自分の仕事が増える事請け合いだ。

さらに、「2度は言わない」というのは「言った言わない問題」の温床でもある。

言った言わない問題

上司「言ったよね」
部下「言われてないです」
上司「いや言ったよ」

これだ。部下も1度言われてたらもう聞けないので必死だ。言われていたとしても、「言われてない」ことにしないともう一度聞けないから、背に腹は変えられない。

この「言った言わない問題」は解決のしようがないのでなるべく抑止しなくてはならない問題だ。上司がこの「言った言わない問題」の種を撒くのはいささか軽率と言える。

じゃあどうすればよいか。

「メモ取らなくていいの?5度は言わないよ」

にしよう。数字はエイヤで決めた。
5回くらいにしておけばなんとかなるだろう。

ちなみに僕の会社では試験的に「100回聞いてもいい」と振り切ったルールにしている。




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のろさとし | 実業家 | 製造業 | システムエンジニア
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