伝えるのが下手な人は〇〇が好き
伝えるのが下手な人は言葉が好きだ。
会社の経営をしていると、伝えるのが下手な人が散見される。サンドイッチマン風に言うと「ちょっと何言ってるか分からない」系の人だ。そういう人を見ているとある法則に気が付く。伝えるときに言葉しか使わないのだ。
確かに人に伝えるとき無意識に使うのは言葉だが、言葉というのはかなり使うのが難しい。なぜなら、言葉にすることによって解像度が落ちてしまうからである。
例えば、以下のように机の上にリンゴがあったとする。
誰かにこの様子を伝えようとしたときに、言葉で「机の上にリンゴがあります」と言ったとしよう。これを伝えられた方は、以下のように思いうかべるかもしれない。
近からず遠からずだが、元の風景とはまったく変わってしまっている。だが「机の上にリンゴがあります」という言葉には変わりはないので、合致しているといえる。
上記のようならまだいいが、
って思い浮かべられても「机の上にリンゴがあります」だし、
って思い浮かべられても「机の上にリンゴがあります」だ。
ようは、「言葉を使う」というのは、アナログな世界を、低い解像度でいったんデジタル変換してしまうため、それを復元した時にだいぶ原画とはずれてしまうのだ。
構造を絵に表すと以下のような感じだ。
Aさんが何かを思考したとしてそれをBさんに伝えるときに、まず言語化が行われる。この言語化で、前段で述べた通りめちゃくちゃ情報が抜け落ちる。
さらに、言語化を間違えちゃうこともある。かなり不安定な作業だ。
さらに、Bさんは受け取った言葉を思考に「復元」する。この復元も、もともとがエラーを含んでいたり解像度が悪い場合どうあがいても正しく復元することはできない。
さらに百歩譲って結構正しい言語化がAさんによってなされていたとしても、このBさんの「復元」作業もエラーを起こしやすい。
このように、言葉を使ってコミュニケーションを行うことは、薄氷を踏むように危うい行為だったりする。
遊んでいる時は別に伝わらなくてもいいこともあるだろうが、ことビジネスシーンにおいては伝えることの重要性は高いため、この「言葉による伝達の危うさ」は見逃せない。
ではどうすればいいかというと、絵を描こう。ポイっと以下の絵を相手に見せればいいだけである。
いちいち机の上にリンゴがあることを、言葉に変換して「机の上にリンゴがあります」と相手に渡し、相手に復元させる行為をなるべく省くのだ。
具体的な例を挙げよう。例えば
「配置転換をするので、窓際にAさん、Bさん引っ越してください。廊下側にCさんDさんの机を置きましょう」と言ったとしよう。結構伝わりそうだが、AさんとBさんは「俺らは右と左どっちにするんだろ」となったりする。この時、以下のような雑なメモをピピっと書いて渡した方が絶対伝わるのだ。
絵を描くからといって、パワポ取り出して立派なプレゼン資料を作る必要はない。ただのメモ書きでよい。胸ポケットにメモ用紙とボールペン入れておいてさっと出してサラサラっと絵を描くのだ。
ビジネスシーンでは言葉より絵を優先しよう。