
上司に「自分で考えなさい」と言われたら
考えてみよう。
以前以下のような記事を書いた。
この時は、「いや教えて」と言おうと言ったが、ちょっと違う観点からお届けしたい。
部下:「これってどうすればいいですか?」
上司:「自分で考えなさい」
と、上司に言われたらどうするべきだろうか。
このときなぜ上司は答えを持っているのにそれを教えずに部下に考えさせるのかというと、部下を訓練しているからである。これは非常に部下にとって有益だ。
なぜなら、「訓練業界」というのは理不尽だからだ。普通は訓練ってなかなかさせてもらえない。
例えば、
部下:「寿司握らせてもらっていいですか!」
上司:「お前は向こう3年皿洗いだバカタレ!」
部下:「寿司握らせてもらっていいですか!」
上司:「まずは見て覚えろ!いいか、こうやるんだ!」
みたいなことが職人の世界では往々にしてある。考える行為も定性的である以上、一種の職人技なので、なかなかさせてもらえないと思った方が良い。
なぜ訓練って、させてもらうまでに時間がかかるかと言うと、「定性的」だからであろう。職人それぞれが、「まずは皿洗い3年やって根性つけないとだめ」とか「こんなもん見て覚えるんだ、俺もそうやった」とか、それぞれがそれぞれの"訓練像"を持ってしまっているためだ。
さっさと訓練始めてしまえばいいものを、定性的な技能の訓練は、体系化がしにくいため、ローカルルールだらけになってしまい、たいして研究されていないのでトロトロとしたスピード感になってしまうのだろう。
なので、
部下:「これってどうすればいいですか?」
上司:「ここをこうこうこう!」
とか
部下:「これってどうすればいいですか?」
上司:「貸してみ」
とかいう上司もいっぱいいるなか、
部下:「これってどうすればいいですか?」
上司:「自分で考えなさい」
と言ってくる上司は、スピード感を持った合理的な上司と言える。「お、ラッキー」と思って甘んじて自分で考えてみよう。
逆に「いやです、教えてください」と言ってはいけない。なぜなら、上司が「自分で考えなさい」と言っている以上、業務の中に「考えること」が含まれていると思った方が良いからだ。
「いやです、教えてください」と言うのは、寿司屋に就職して、寿司をにぎる訓練をずっと拒否し続けるのと同じだ。
いつくいっぱぐれてもおかしくないので、「自分で考えなさい」と言われたら「自分で考えてみる」のが吉だろう。
いいなと思ったら応援しよう!
