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「ペンは剣よりも強し」は本当か
本当だろう。
ここでは「ペンは剣よりも強し」は「言葉は暴力に勝る」という意味で用いる。ここでいう"言葉"とは、法律や理論などの"知力"ということでよいだろう。
さて、言葉は暴力に勝るかどうかは難しい。スケールによって強さが変わってくるからだ。
まず時間のスケールだ。
暴力団:「みかじめ料払えや!」
店主:「払いません。なぜなら違法だからです」
暴力団:「うるせえ!ボコ」
店主:「ひぃぃぃ」
このように、短い時間でなら暴力の方が強い。だが、ちゃんと長い時間がたてば、以下のように知力が勝つ。
暴力団:「みかじめ料払えや!」
店主:「払いません。なぜなら違法だからです」
暴力団:「うるせえ!ボコ」
店主:「ひぃぃぃ」
~その後~
警察:「暴対法違反で逮捕します」
暴力団:「ひぃぃぃ」
店主:「へっへっへ」
みたいな感じだ。遅効性があるのが"知力"だろう。
※警察も一種の暴力による治安維持部隊だが、知力の代行業者という意味で分かりやすいため語弊を恐れず使う。
もう一つ、場所のスケールもある。局所的には暴力の方が強く、大域的には知力の方が強い。
例えば、家庭内暴力は、それが外に露呈するまでは強いが、露呈して全国的になると"知力"である法律がそれを咎める。
ウクライナ侵攻も、それが外に露呈するまでは強いが、露呈して全世界的になると経済制裁などの"知力"によりロシアの国力が削がれていく。
さて、なので、最終的には知力が勝つが、それまでの間に"暴力有利ゾーン"というのがあるということになるだろう。
暴力有利ゾーンから必ずや知力有利ゾーンに遷移するので、「言葉は暴力に勝る」と言える。なので、自分の能力を伸ばすのであればやはり"知力"の方を伸ばした方が良いだろう。
とはいえ、暴力有利ゾーンで僕達は運悪く絶命する可能性もあるので、「暴力有利ゾーン」をどうやってやり過ごすかという問題になる。
「知力全振りではなく、少しは暴力の訓練もした方がいいんじゃね?」
たしかにそうかもしれないが、そんな中途半端なことしてて十分に知力は育つだろうか。知力の良し悪しだって競争してるんだから、あんまり暴力の訓練に時間を割きたくない。
よし、とにかく知力に全振りしてみよう。そうすると、周りは知力を扱う人間だらけになるはずだ。心理学でいう「類似性の法則」というやつだ。簡単に言うと、「類は友を呼ぶ」だ。
そうすることによって"暴力有利ゾーン"をそもそも縮小することができる。
逆に、暴力によって何かを解決しようとする要素が少しでも自分にあれば、周りも「少し暴力によって何かを解決しようとする人間」が集まる。たまに自分をまきこんだ暴力事件に巻き込まれるだろう。
つまり、このやり方だと、"暴力有利ゾーン"を増大させることになってしまっている。
ということで、僕はとりあえず知力全振りで、"暴力有利ゾーン"を極力縮小させることでぬくぬく生きることにしようと思う。
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