会社の代表が意思決定を委譲してみて1ヶ月
こんにちは。デプロイゲートの藤﨑です。
皆さん、今年は初日の出を見ましたか?今回のカバー写真は、遅ればせながら久々に地元で見た今年の初日の出の様子です。
この写真を撮った日から早くも1ヶ月が過ぎようとしています。早くも、と言っておきながら、実のところ自分の体感としては「あれ、まだ1ヶ月経ってないのか」という感覚でいます。そう感じるほど様々な変化が今月はあったので、今回はその辺を振り返ってみたいと思います。
これまでとは違うことが始まった
昨年11月に経営チームにおいて得意を活かすチーム作りをすることを決めました。そこからまず経営チーム各人が得意を活かした役割分担で動き始め、さらに社内において誰が何を意思決定するのかを分かりやすくするため、年末のミーティングで経営陣3人それぞれの管掌範囲を明確にし、権限委譲を推し進めました。
そこから年が明けてまず1ヶ月、自分から見えているのは、これまでとは違うことが始まったなという感触です。手放しですべてが完璧なんてことはありませんが、全体として大きく良い変化が起きていると感じています。
まず、私の関わっていないところで、これまでにない新しい施策が動き出しました。また、プロダクトチームのワークフローやチーム構成そのものも、メンバー主導で変わろうとしています。それぞれなんとなくの方向性は見聞きしていますが、完全に私の手を離れたところで検討が進められ、実施と担当者のアサインが決まり、施策がスタートしています。
私自身の関わる部分も、驚くぐらいの密度の変化がありました。現在は今後のプロダクトのロードマップを作るところを集中して進めています。私自身、この正月は長めのお休みをいただき、ほぼ半月休みの15日からの仕事明けだったこともあり実質2週間半しか動いていないにもかかわらず、プロセスそのものを業務委託のPMの方々にお任せして、フォーカスを失わないようリードしてもらう形で進める新しい試みによって、目に見える形で成果物が出ています。
フォーカスを持てることがもたらす影響
今年に入ってからの変化について振り返って、よかったと感じる点は、とにかく自分自身のフォーカスを取り戻せているという感覚があることです。
自分自身が注力する領域を決め、それ以外の意思決定を委ねるということは、強制的に領域外の意思決定に介在できない状態を作ったということになります。これによって、これまであらゆる角度からやってくる可能性があった課題について考える必要がなくなり、決断疲れが如実に減りました。人間が1日の中で決断できる回数には限界があり、同時に認知にも影響を与えると考えられています。特に何か求められていない状況でも、あらゆる方向性の課題を頭の中に抱えることで常に発生していた小さな決断がなくなったのはフォーカス改善に大きく寄与していると感じます。
また、今回はこれまで自身が苦手としてきた計画や進行自体についても、他者の力を借りて任せられる状況ができたことによって、さらに余白が生まれて、本分に集中できている感触があります。これによって、現在のプロダクトの体験上の課題や今後のアプローチについて考えることができるようになっただけでなく、世の中のあらゆる体験とさらにその背後にある思想や意図にもこれまで以上に目が行くようになりました。
現在進めているロードマップ作りの過程においても、そもそもの背景となる原体験や心境変化について改めて見直すことができたところから対象の解像度が上がる、過去のユーザーヒアリングを振り返る中で以前は気づけなかった関連を見つけて今後の理想型の理解を深めることに繋がる、などこれまで言語化が難しかった部分の言語化を進める後押しに繋がっています。
過渡期は自身も混乱する
いいことがあった一方で、難しく感じる部分もいくつか発生しています。
今年の仕事始め、早々にして「自分はいま何をするべきなのか」と迷ってしまいました。これまでと同じプロダクトを持ちつつ、周囲の協力を得ながら道筋を描いてチームに共有し、自分の得意とする能力を最大限使って体験作りをしていくには、いま何をするのがベストなんだろうか。自分以外の周りは動いているという状況に少し焦りを覚えつつも、冷静にいまの役割は何であり、何が求められているのかを整理しながら、徐々にフォーカスを得ていきました。
チームもまた、従来同様自分が意思決定をする前提で話してきます。それに対して、自分も答えられると思って答えてしまったりします。しかし、現実には自分の知らないところで物事は進んでいて、古い情報で無駄な議論をしてしまうという状況も早々に起きました。昨年までは、すべてがプロダクトの今後に紐付く形で計画が行われていたこともあり、プロダクトを把握している自分が、この先会社で起きることのすべてを把握しているのが当たり前でした。しかし、意思決定を委譲した現在はそうではありません。
見えているつもりが見えていなかったり、答えられない部分があることは不安になります。でも、構造上その状況は必然的に起きることなので、「ここの部分はこの人に聞いて判断してもらってほしい」と答えていくことを繰り返し、慣れていく必要がありそうです。
任せたとはいえ、最終的に責任を持つのは自分の仕事なので、まだまだ首を突っ込んだほうがいいんじゃないかと迷うことはありますが、徐々に慣れていくのかなと思っています。まあ、本当に何か問題が降りかかってきたとしても、持ち前の適応性と責任感と戦略性で乗り越えていけるはず。
得意を活かす組織を作るということ
ということで、今回は今年に入ってからの変化を、会社の代表視点で振り返ってみました。
自分が得意ではない部分を得意な人に任せていくことで、自分がボトルネックになっていた部分が改善され、目に見えて物事の進みが良くなりました。権限委譲自体も、得意を活かす組織を作ることもまだまだ道半ばで、課題も不安もありますが、まずは「ここは任せる」と決めたことに中途半端に首を突っ込んだり手を出さないよう気をつけながら、より良い形に進めていきたいと思っています。
今月はそんな感じで。今年もよろしくお願いします。
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