世界観をつくる、仕事がしたい
『世界観をつくる』、すごくよかったです。
ひとことで言うと、水野学さんと山口周さんが、「世界観をつくる」ことと、その必要性を対談形式で語った本です。
本書からことばを引用しながら感想をつづっていきます。
「このサービスを通してどんな未来をつくりたいのか」「この商品を通してどんな課題を解決するのか」。
いまの日本はサービスもモノも溢れているから、ビジョンやミッションが重要になってきているのだろうなとおもいました。
スピードが速いこと、値段が安いこと、スペックが高いこと。性能が優れていて機能的価値が高ければ、いままではお客様に選んでもらうことができました。
だけどこれからは、客観的に比べられる「役に立つ」ものより、わたしにとって「意味がある」ものに価値がある。安いカフェがたくさんあるなかで、値段が高くてもスタバに行くひとがたくさんいるように。
「なんか好き」と思ってもらえることや、その人の生活のなかで「意味がある」ものになることが求められる時代に変わったようです。
これを読んで感じたのは、デザインを自分で決めることの大切さです。
ここの余白は16pxにする、ボタンの色は#dbaf00にする。全体のバランスを見ながら細部を決めるときに必要なのは、「こっちの方がバランスがいいから」とか、「こうした方がきれいだから」とか、自分の感覚を信じることなんじゃないかなあ。
頭で判断して、最後はこころで決断する、みたいな。
論理的なわかりやすさが必要ないわけじゃないけど、これからより重要なのは「説明して理解してもらう」ことより、「共感して納得してもらう」ことなのだとおもいます。
「ブランディング = 記憶に残すこと」という表現もみたことある。どれも間違いじゃなくて、「見え方がコントロールされていて」、「世界観がつくられている」から、「記憶に残る」ような気がする。
デザイナーになって2年目のわたしが特に印象に残ったところです。努力の方向性を間違えずに学び続けたいです。
現在の延長線上として1年後どうなっていそうかじゃなくて、1年後どんな風に働いていたいか、何をつくっていたいか、誰とどんな風に笑っていたいか。
想像力を働かせて映像としてイメージすることが、欲しい未来に近づくために必要なのかもしれない。
わたしのなかでの「デザイン」がアップデートされました。デザインの力で未来を連れてきたい、です。
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振り返ってみて思い出したのは、わたしは「意味のある」仕事がしたかったのだということ。2年前に転職についてnoteを書きました。
役には立つけど意味は感じられなかったシステム開発の仕事から、価値があると信じられる、わたしにとって「意味のある」体を整える仕事への転職。
本を読んでいて共感を多く感じたのは、きっと、わたしが大切にしたいものと著者が語ることばに重なる部分がたくさんあったから。
仕事に追われて忙しくなると、「役に立つことをしなきゃ」と思ってしまうことがる。だけど本当に大切なのは、どんな世界観をつくれるか、意味を感じてもらえるかだ。
わたしは仕事を通して、半径5mのひとの笑顔をつくりたい。
この言葉を胸に未来を描き、理想の実現に向けてコツコツと仕事を積み重ねていきたいとおもいます。
P.S.
水野さんが携わった、「相鉄都心直通記念ムービー」。「役に立つ」情報はほとんどないけど、見ていたら世界観が感じられて相鉄が好きになりました。