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新人アシスタントは宇宙人の姫で出会ったその日に婚約!? とにかくかわいいヒロインを見てほしい『おとなりに銀河』
【レビュアー/沢】
『おとなりに銀河』は講談社の「good!!アフタヌーン」で連載中のラブコメです。
作者は雨隠ギド先生。代表作はアニメ化もされた『甘々と稲妻』。僕は子供がいないんですが、雨隠先生が描く親子関係(家族関係)が刺さりに刺さってしまいます。『甘々と稲妻』は、1巻ごとにボロボロ泣きながら読むくらい作品から受けるパワーが強くて、大好きな作品です。
雨隠先生の新作『おとなりに銀河』では、主人公の家族への優しさを描いたシーンの優しい世界観には引き続き泣かされつつも、ラブコメとしての破壊力がすごくて、ニヤニヤしながらも感動しつつ読んでおります。
アシスタント募集をして現れたのは、宇宙人の姫…!?
漫画家の久我一郎(くが・いちろう)は、父を病気で亡くした後、アパート経営の家賃収入と、まだ大ヒットには程遠い漫画家としての収入で幼い妹と弟を育てる苦労人。
今までいたアシスタントが卒業してしまい、原稿の締切が間に合わなくなった際に偶然見つかった新しいアシスタント・五色しおり(ごしき・しおり)は、未経験者ながら優秀で、一郎にとってはまさに救世主となりました。
『おとなりに銀河』(雨隠ギド/講談社)1巻より引用
徹夜作業を終えて疲れて眠るしおりの身体にGペンが刺さっていると見間違い、一郎は彼女の身体から尾のように生える「棘」に触れてしまいます。このことで、二人の間には強制的に婚姻関係の契りが生まれてしまいます。
棘に触れた一郎は、しおり自身から「流れ星の民」の姫であることを告げられます。
「婚姻をするまでに順序を踏んで、まずは友達から」としおりに言われ、二人の間には「漫画家とアシスタント」と、「婚姻関係」という奇妙な二重の関係が生まれます。
棘の設定だけ現実離れした印象がありますが、そのシーンに至るまでの丁寧な導入があり、全体を通して読みやすい作品です。
1巻では登場人物が少なく、一郎としおり、一郎に近しい数名、担当編集が出てくるくらいで、重要な各メインキャラクターが深堀りされていくのも本作の魅力です。
ヒロイン・しおりが可愛い!これに尽きる!!
『おとなりに銀河』の魅力を一言で表すと、
ヒロイン・しおりが可愛い。
これに尽きます!
雨隠ギド先生を知らなかったとしてもジャケ買いしていたであろう、吸い込まれそうな表紙が最高です。
しおりは、アシスタントとしては優秀であるものの、世間知らずのお嬢様的な一面も持っています。クールビューティーとして登場した第1話から、一郎や家族との交流を通して、イメージがどんどん変わっていくのが楽しいです。
『おとなりに銀河』(雨隠ギド/講談社)1巻より引用
「美しい」ではなく「可愛い」と表現したのがまさにそれで、「(一郎が)棘に触れたので婚姻関係になりましょう」と決めてかかってきたり、「実験」と称して、壁ドンを一郎にやらせた彼女が、第5話では自分の行いを振り返って赤面し、悶絶している様はまさに「可愛い」です。
『おとなりに銀河』(雨隠ギド/講談社)1巻より引用
このギャップが今後もどんどん描かれると思うと、楽しみです。
両思いラブコメだけではない伏線が感じられる設定も面白い!
「流れ星の民」という物語の根幹を成す設定が、物語に今後どう作用するのかがとても気になります。
しおりが漫画家として歩みだすような気配があるので、「しおり自身が物語を広めることで何かが起こる」のか、それとも、「しおりが物語を世に出すことで読んだ人に何か影響を与えてしまう」ものになるのか。
後者の場合だと、物語のスケールが作品タイトルの通り、かなり大きくなりそうです。
あと、しおりの元々決待っていたはずの婚約者も出てくるでしょうし、一郎が5話でしおりに語った「勝手に決められた婚姻がすごく嫌だ」という発言は、一郎の両親に関わりがありそうです。この作品はただのラブコメではないぞ!という設定の深さが見られて、今後の世界観の広がりも楽しみなポイントです。
とはいえ、1巻の最後の、この続きはどうなるの!?という状況は、ラブコメとしての良さがすごいです。最高です。
僕はコミックDAYSのもっとプレミアム会員でgood!!アフタヌーンが読めるため、1巻の続きから3話ほど読み進めていますが、全話神回という感じでたまりません。7話は心温まるシーンもあり、号泣しました。
2巻の発売が待ちきれない方は、同時に発売された『ゆらゆらQ』もオススメですし、『甘々と稲妻』も全12巻の1冊1冊が良いので、ぜひ『おとなりに銀河』にハマった方は、他の作品も手に取ってみてほしいです!!