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仕事がつまらないと嘆いている、遊び心を忘れた大人たちへ。もう一度駄菓子屋にいこう。駄菓子業界のグローバル化にみる駄菓子の可能性『だがしかし』

※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)

【レビュアー/荒井健太郎】

小学生のときの思い出の場所ってどこですか?

いやー最近、小学校時代の友人に会いに昔住んでいた場所にいったら、ないんですよ。あー、通ってたゲーセンに続いてここもかよ・・・。本当に悲しい。

自分の小学校時代のすべてが詰まっていた場所だけに、なんとも言えない気持ちになりました。

えっ?何って? 駄菓子屋ですよ、だ・が・し・や。

小学生の青春のすべてが詰まった駄菓子屋です。公園で遊ぶ途中、「ちょっと駄菓子屋に行こうぜ!」「俺、今日50円あるから色々買える!」とか言いながら、駄菓子やのおばちゃんにお金を払って、友達と食べる。

くぅぅぅーーーーーなんとも、言えないですねー。

そんな気持ちを思い出させてくれる、駄菓子漫画を見つけたのでご紹介します。それが、『だがしかし』です!

そもそも駄菓子って何かっていうと、

駄菓子という名称は、高級な上菓子の対照としてつけられたもので、関西地方では雑菓子(ざつがし)とも称されている。(wikipediaより)

でも、そんな駄菓子、実は今、海外を目指して様々な取り組みが行われているんです。10月16日の記事にこのようなものがありました。

今年4月に駄菓子メーカーや卸業者が「DAGASHIを世界用語にする会」を発足、11月にはパリで駄菓子をPRするイベントを開く予定だ。(「DAGASHI」を世界へ…メーカー連携、仏パリでPRイベント 「駄菓子の日」制定、夢は「無形文化遺産」より)


駄菓子すげー!!!

1年くらい前にTBSの『所さんのニッポンの出番』という番組で駄菓子特集が行われていましたが、とうとうここまできましたね。

駄菓子に秘められた遊び心は万国共通!?そんな流れを知ってか知らぬか分かりませんが、駄菓子漫画の金字塔が、『だがしかし』です!

この漫画は田舎の駄菓子屋の息子ココノツと大手お菓子メーカーのご令嬢枝垂ほたるを中心とする駄菓子ギャグ漫画です。毎話、様々な駄菓子が登場して、解説などを交えながら様々なギャグが飛び交います。

この漫画、夜中に読むと読めば読むほどお腹がすいてくるんですよ。

それも、なんかちょっとしたものが、食べたい・・・食べたい・・・食べたい・・・駄菓子食べたい・・・。

さて、この漫画の魅力ですが大きく分けると3点あります。

豊富な駄菓子雑学

この漫画を読むと日常生活ではまず知られていないようなことや、駄菓子に関する間違った迷信を解消してくれます。

まずは、これ!親から根拠もないのに何度も「身体に悪いからあんまり食べ過ぎたらいけない」といわれ続けた不思議なおかし。そう、「ねるねるねるね」

実はこいつ、すごく身体に優しく、理科まで学べる優れものなんです!

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『だがしかし』(コトヤマ/小学館)より引用

「ねるねるねるね」ってこんなに深かったんですね。合成着色力なし、理科の実験にもなる。子供の自由研究にこまったら「ねるねるねるね」がなぜ色が変わるのか?これで書けますね!

そして、「すっぱいぶどうにご用心」

よく言われる迷信(私はこの漫画を読むまで信じていましたが)サングラスかけたぶどうのところにすっぱいのがある。あの迷信じつは嘘らしいんです。知っていたという方ごめんなさい。でも、私本当に今のいままで信じていたのです。

この漫画には、このような駄菓子について今まで知らなかった、明日使える駄菓子知識が盛りだくさんです!

子供時代の遊び心を思い出させてくれる駄菓子あるある

いやーまずはこれ、これがもうなんというか、あーーーーって感じなんです。皆さんも、これやった、わかる、わかる。っと共感必死です。

まずは、これ「こざくら餅」!!

「なんだよそれ?」と思った人、これですよこれ(※本当はこれはこざくら餅ではなくミックス餅です。こざくら餅が入手できなかったので、代わりによく似ているミックス餅を紹介しました。)

そしてこれの食べ方といえば??

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『だがしかし』(コトヤマ/小学館)より引用

次はこれ「ココアシガレット」いやーもう何するか分かりますよね。

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『だがしかし』(コトヤマ/小学館)より引用

最後はこれ「ひもQ」、もしかしたら駄菓子の中でこれが、一番遊べるといっても過言ではないかもしれません。(編集部注:2021年現在は生産中止となっています。)

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『だがしかし』(コトヤマ/小学館)より引用

子供は駄菓子1つでここまで楽しめる! 買ってみたら今も、十分楽しめました。特に「ひもQ」はものすごく楽しかったです!ただの紐なので遊び方が満載です。笑

たかが駄菓子、されど駄菓子

最後に紹介するのが「フエラムネ」です。駄菓子たちも必死に生きているんです。改善に改善を重ねて今があるのです。

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『だがしかし』(コトヤマ/小学館)より引用

この漫画を1回読んだだけだと、10%も楽しめません。

読んで、駄菓子を買って、読む!

これを繰り返すことで、この漫画がいかに駄菓子を調べているのか。登場人物たちの言っていることが本当の意味で分かります。

本作は駄菓子をもって初めて完成する漫画なのです!

駄菓子食べながら、『だがしかし』を読んで懐かしさを感じて頂ければと思います。

近い将来、ぜひDAGASHIを世界標準語にして欲しいですね!