書店で大ヒット!? 何となくゾッとして伏線で驚く新感覚4コマ漫画『意味がわかると怖い4コマ』
【レビュアー/栗俣力也】
意味がわかると怖い話という短編を知っている方は多いのではないだろうか?
どこか違和感を感じる普通の物語。と思いきやその違和感の伏線要素を、理解するとその物語がいかに怖い話であったかに気がつくというものだ。
ミステリー小説で書かれるような複雑に絡み合ったものではなく、あくまでパッと読んで気軽にドキッと出来たりゾッと出来る事から、スナック的な楽しみ方が出来るこの「意味がわかると怖い話」。それを4コマ漫画で描いた作品がある。
第2巻が発売したばかりの本作だが、最近これが1巻と合わせ非常に書店で売れているのだ。
この暑い夏にオススメの作品として、今回はそんな『意味がわかると怖い4コマ』をご紹介したい。
湖西晶先生の可愛らしい絵柄で描かれる、どこか違和感を覚える4コマ。
例えばコミックスの裏表紙にはこんな4コマが描かれている。
ひとコマ目にはジェットコースターがめちゃくちゃ怖かったと泣きまくる少女。
だから来るのは嫌だったと無理やり友達にジェットコースターに乗せられた事に文句を言っている。
最後に落ちたところなんて怖すぎて気絶してどうやって降りたのかも覚えてない!!
と…最後のコマにはそんな彼女の言葉が聞こえないほど?泣いている友達が描かれているが…
よく見るとその友達の向こう側にはブルーシートをかけられてまるで事故の後のような光景が…
これは少女の目線で描かれているのだが、見方を変えるとジェットコースターが事故に遭い死んだ事に気がつかない少女と無理やりジェットコースターに誘った罪悪感と悲しみから涙する少女の友達の4コマになっているのだ。
コミックスの構成は、4コマが描かれた後、作品の解説が描かれている。
解説を読みもう一度4コマを読むと…。
一読目とは違った別のストーリーがそこに見えて来るだろう。
4コマだからこそのわかりやすさのある伏線、そしてどんでん返し。
ストーリー漫画とは別の面白さが楽しめる一冊。
何となくゾッとする、伏線で驚く…そんな体験をしたいときにぴったりの作品だ。