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エポックメイキングなラブコメ作品『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』の魅力とは!?

※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)

こんにちは! 漫画ソムリエの 東西 サキです。

ふだんは東京ネームタンクでマンガの持ち込み先進路相談をしています。

マンガ技術研究会では新連載をひたすら集めて読むお仕事もしています。

そんな私から見てオススメの漫画をご紹介して参ります。

どうぞよろしくお願いします!

今回ご紹介する作品は『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』です!

物語は主人公の運命の人”は100人いて。しかも彼女達は、幸せになれなければなんやかんや(中略)あって…死ぬ……というツッコミどころ満載の設定で負け彼女(ヒロイン)0が売りを売りにした純愛ハーレムコメディ作品です。

あらすじからして飛ばしていますね!

本作の魅力とは……

本作の魅力を箇条書きすると以下になります。

・勢いある掛け合いギャグ
・登場するヒロイン全員に見せ場がある
・感情移入しやすい好感度高い主人公

僕はこれら魅力は本作がラブコメという概念を遊ぶ作品であるから成立している面白みであると考えてます。

では、ラブコメという概念を遊ぶはなんなのか?

ラブコメという箱庭世界で戯れるキャラクター達

主人公が作中女性キャラクター達にモテまくるのはラブコメマンガのお約束ですが読者にとって思い入れあるヒロインがフラれてしまう『負けヒロイン』発生展開はツライものです。

作品やキャラクターに対して思い入れが強い読者ほど、作品の進行とともにフラストレーションを抱えてしまうのがハーレム系ラブコメというジャンルなんですが、この『負けヒロイン』問題に対してラブコメ作家はいままで結論を明確に描かなかったり、ヒロイン全員にハッピーエンドを用意する、IFルートを設けたりするなど苦心していました。

しかし、結論をぼやかして描いても、なんとなく勝ちヒロインが分かる結末だったり、結論を出せない主人公に対しての嫌悪感など、ラブコメ好き読者としてはラブコメが好きであるがゆえに、結末に共感しづらいものがありました。

しかし本作は設定を『100人いる運命の彼女を救う』にしたことで 『負けヒロイン』が出ない、ストレスフリーな世界の実現に成功しました。

またハーレム展開やヒロインたちを攻略していくのは、あくまでも『100人いる運命の彼女を救うため』なので、主人公の好感度も高く保てる。

つまりお約束が分かる読者にとっては、キャラクター達がラブコメという箱庭で永遠と戯れる作品になったのです。

主人公と結ばれずにフェードアウトしないで済む世界、テーマパークの様な作品、それが本作品なのです。

テンポよく進むギャグの面白さも、ラブコメという概念で遊ぶという世界観だから成立するのであるし、ハーレム漫画の主人公であるのに好感度が高いのや登場するヒロイン全員に均等に見せ場があるのも、100人を救うという設定があるから成立する魅力であるという事です。

恋愛ハーレムマンガにおいてエポックメイキング作品、気になる方は、ぜひご一読ください!